ある日僕は、誰からも見えなくなっていた
家庭でも、職場でも

それでも僕は、生きているわけで
いつものように、朝ご飯を食べて
出社して、暮らしていた

僕が見えなくなっても
家族も職場の人も
何の変りもなく、暮らしていたが

見えなくなった僕は
物音を立てて、びっくりされないように
静かに暮らしていた

平穏な生活だったが
やっぱり寂しくて
誰かに、話しかけて欲しかった

そのためには、僕のことが見える人を
探すのだったが
たいがいは僕を見て、驚き逃げてしまい
話しかけてくれることは無かった

話しかけてもらうために
僕のことが見える人を探す日々

いつか誰かが僕を見つけて、話しかけてくれる
そして僕が初めて、話すことが出来た時

きっと呪いは、とけるのだから