昼間の空を覆う
水色のヴェールが取り払われた
午前零時
見上げた闇が宇宙へと繋がる時
そこに優しく微笑むあなたが見える

この惑星の
大海の雫を引き寄せるあなたの引力が
私の瞳の湖を
涙で溢れさせようとする

遠い遠い昔
この水色の惑星から引きちぎられた
孤独な衛星のあなたは

一度の公転の間に一度の自転を行い
別れた時と同じ
最後の微笑みを向けたまま
水色の惑星を回り続ける

大気を失い
音を失い
涙を失い

乾ききった世界の中で
時空を超えて回り続ける
永遠の孤独

あなたは知っている
自分の引力は
失ったものへの
未練の力であることを

私は知っている
淡く三日月に輝くあなたは
孤独な影で
形作られていることを

優しく微笑むあなたの影が
私の瞳の湖の
涙を引き寄せようとすることを