あなたの乗った車のテールライトが
黒い闇の中に
にじんでゆく
それは闇のせいなのか
僕の涙のせいなのかは忘れてしまった
都会の明かりは無数の色合いだったが
僕の黒い心色の中に
ぼんやりと浮かんでいた
テールライトの鮮やかな赤色は
僕の黒い心色を侵食する
あなたのように
にじんでいったけれど
赤色は
僕の黒い心色に侵食されることは
最後まで無かった
一つ二つと消えて行く
都会の明かり
やがて取り残された
黒い闇色だけが
一人ぼっちで立ち尽くしていた