「武士の家計簿 」 | 月灯りの舞

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自虐なユカリーヌのきまぐれ読書日記

「武士の家計簿 ―
 「加賀藩御算用者」の幕末維新」

磯田 道史 (著)
新潮新書/2003.4.10/680円


月灯りの舞


「金沢藩士猪山家文書」という武家文書に、
精巧な「家計簿」が例を見ない完全な姿で遺されていた。
国史研究史上、初めての発見と言ってよい。


タイム・カプセルの蓋を開けてみれば、金融破綻、地価下落、
リストラ、教育問題…など、猪山家は現代の我々が直面する問題を
全て経験ずみだった!

活き活きと復元された武士の暮らしを通じて、
江戸時代に対する通念が覆され、全く違った「日本の近代」が見えてくる。
                  <表紙折り返しより>


映画「武士の家計簿」の原作となった新書。


映画化されると聞いてから買って読んだけど、
43刷だって! 売れてるなあ。


これは物語ではなく、実用書である。

しかし、実在の下級武士が残した「出納長」からは、
当時の生活ぶり、文化、食生活まで、全て見渡せる。


ただ、古文書を連ねただけでは、読むのに苦労するが、
著者はとてもおもしろく書いてある。
現代の生活と比較したり、当時の背景の解説を添えつつ、
現代に置き換えた場合の実例などわかりやすく書かれ、
読み物として楽しく読める。



武士というのは本当に見栄の塊だったりだと改めて
想わされる。
交際費や行事などの費用がかなりかかっていることも
うかがえる。


誰がどんな衣装を買ったとか、どんな薬を買ったかの記録もあり、
服飾費、医療費のことも見えて来る。


まさにそこに息づいていた家族の記録である。
おもしろいドラマが産まれないわけがない。



★映画「武士の家計簿」の感想はこちら。

http://ameblo.jp/tsukikagenomai/entry-10729336356.html


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