愛媛県生まれの画家 高畠華宵。
大正ロマンの香り漂う画風は
ノスタルジックであり、幻想的。
挿絵、日本画、広告画だけでなく、
浴衣のデザインもしたり、多才な活動ぶり。
そんな彼の挿絵画集。
「高畠華宵 大正・昭和レトロビューティー」
松本 品子:編集
河出書房新社(らんぷの本)/2004.1.30/1500円
大正末から昭和初期にかけて一世を風靡した挿絵画家、
高畠華宵。
甘美な感傷と華麗さを宿し、古き良き大正ロマンと
昭和モダンに彩られた抒情画とも呼ばれる華宵の作品
を紹介している。
着物を着た女性を描くイメージが大きいが、
浅草オペラを好み、異国趣味もあり、
洋装や露出の多いダンスの服装もたくさん描いている。
華宵は、昭和六年ころから挿絵の仕事を減らし、
日本画制作に没頭している。
でも、生涯どの絵画団体にも属さず、何にも
縛られることなく、自由に描きたいものだけを
無心に描いていたという。
この絵は「情炎」と題された
江戸時代、恋に狂って放火し、
火刑となった娘 お七の絵。