家に監禁をされるようになり、親は家の電話線も切りました。

 

 私はすぐに始まった禁断症状と闘い始める事になるのです。


 体の震え、倦怠感、この後は、体中に虫が這いずる廻る感覚に冒されます。

 相変わらず幻覚・幻聴に悩まされ、眠れず気が狂いそうになります。

 幻覚は、人がナイフを持って襲ってきたり、家を覗いていたり、どれもこれも異常な目をした人ばかりです。

 幻聴は、ずっと耳元で誰かの話し声がします。私の悪口などなど・・。後は女の人の悲鳴や男の人の雄叫びなどなど・・・。

 布団にもぐり目をつぶり、耳を押さえ震えていました。

 勿論食欲もなく、でも喉が異常に渇くので、水だけを飲んでいました。

 眠れるようになるまで3日かかり、その後寝っぱなし。

 起きてると、相変わらず虫が私の体を這いずり廻り、幻覚・幻聴を見たり聞いたり・・。

 何度警察に逃げようと思った事か・・・。

 警察に行けば、その場で逮捕です。でも私の状態では、病院に入れてもらえる。

 病院で点滴や、拘束されて治療を受けられたら、こんな苦労はしない!と思ったからです。

 食事も出来ず、水ばかりで約1ヶ月寝て過ごしました。

 たまに見かねた母親に、無理やり食べ物を口に入れられましたが、1口が限度2口目は吐いてしまいます。

 やせ細り、最後には自力で歩いてトイレも行けなくなりました。(這っていきました)

 約2ヶ月で普通に生活できるくらいになりました。

 でもその後何年かは、幻覚は治りませんでした。

 夢でも悩まされ、夢は見なくなるまで10年はかかったと思います。

 その夢は、覚せい剤をしようとしている私で、注射器で腕に刺し、薬が効き始めるとき目が覚めるのです。

 この夢で、止められるずに苦しんでいる人もいると思います。

 私も目が覚めた時、自分で自分の体を何度抑えた事か・・・。


 その後も何度も誘惑はありました。

 目の前に出されるんです。もう打つ状態で・・・。

 勿論手が出そうにはなりました。でもあの止めた時の恐怖の方が上だったのでしょう、その後どんな誘惑をされても、手を出してはいません。


 これは本当に親に感謝をしています。

 2ヶ月間、家の電話を切り、家に訪ねてくる人たちを追い払い、ただ黙って見守ってもらいました。

 今自分があるのも、親のお陰かもしれませんね。

 今思えばですが、私は何か見えない力でも助けてもらっていたと思います。

 その当時、一緒に覚せい剤をやっていた人たちは、私以外全員逮捕されました。

 勿論私の名前も挙がっていました。

 別件で私が警察に連行された事がありました。

 (たまたま人を探していて、シンナーを吸っている溜まり場に私がいて、その時警察に踏み込まれて、一緒に連行されたのです)

 でも私は何もしていなかったので、すぐに釈放。迎えに来た親元に戻ると、今度は違う課の警察の方に、呼ばれました。

 尿検査をして、腕を調べられ、しかしすでに3ヶ月以上経っている私の体からは、証拠が出ませんでした。

 ブラックリストの撮影や証拠の指紋や足のサイズ、身長体重などなどを取られ返されました。

 結果私だけ、なんの罰も受けなかったのです。

 他の人たちは、年齢別で少年刑務所や刑務所に入りました。

 入っていたら、今私はここでこうして、ブログ更新などしていないと思います。



 親に救われた部分もあった事を思い出しました。

 でも私が思うに、親は世間体を気にして、そうしたのかもしれません。

 今でも、人間以下だ!と言われますからね(^.^)

 あの時、乗り越えた自分は褒めてあげたいです。

 そのくらい苦しかったです。

 今あの状態になって、乗り越える自信はありません。

 今はあの頃の事を思い出す事もないくらいに、回復はしています。

 今回ACの事で、思い出しました。

 親に感謝しなくちゃ!とも思いました。

 今娘と出会い、今こうしているのも親のお陰かも知れませんね。。。