感謝しておりますドキドキ

明日は茨城県結城市で【斎藤一人 名代 舛岡はなゑ「一人道」講演会】です音譜

楽しい仲間たちと逢えることも楽しみですが、新たな出会いにもワクワクしています!!

みんなで一緒に盛り上がりましょうアップ

講演会の日程や詳しいことはこちらへ


それでは本日も、物語の続きをどうぞ
最初から読みたい方はこちらへ


『しあわせ探偵の事件簿』
第一話:「かめ」⑤

1週間後の同じ時刻に、沙由里は十夢想家を訪れた。

「こんにちは!ウッチー店長、いらっしゃいますか?」

奥から出て来た内ヶ崎は沙由里を見て、目を白黒させながらこう言った。
「沙由里さん・・・ですよね?なんか、1週間前とは別人ですね!?」

内ヶ崎に勧められた席に座るなり、沙由里は数枚の紙が入ったクリアホルダーを取り出し、内ヶ崎にそれを渡した。

「宿題の原稿です。ぜひ、読んでみてください」

「ありがとうございます。喜んで読ませていただきます。その前に、何かお飲みになりますか?」

注文を通した内ヶ崎は沙由里の前に座り、クリアホルダーから原稿を取り出して、早速読み出した。



『新・ウサギとカメ』
清水沙由里・作

むか〜し、むかし、あるところにウサギとカメが住んでいました。
ウサギはカメにこう、言います。

「や〜い、のろまなカメ!世界中でおまえほど、のろまなヤツなんて、見たことないぞ。おまえはどうしてそんなにのろいんだ?」

こう言われても、カメはウサギが何を言わんとしているかが分かりません。

のろまと言われても、カメは好きでゆっくりと歩いているんです。急ぐ必要もないし、ゆっくりと景色を楽しみながら歩くのが大好きなんです。
もし敵が現れても、硬い甲羅が身を守ってくれるから、急いで逃げたり隠れる必要もありません。

不思議そうに自分を見つめるカメにウサギはイライラしながら、さらにこう言います。

「図星で、何も言い返せないんだろ!悔しかったら、俺とかけっこで勝負してみろよ。かわいそうだから、いっぱいハンデをつけてやってもいいぜ!」

そう言われたカメは、こう言いました。

「ねえねえ、ウサギさん。それよりもさあ、あそこの島に行ってみないかい?」

それを聞いたウサギは急に怒り出します。

「おまえ!俺が泳げないのを知ってて、バカにしてるのか!!」

カメは相変わらず不思議そうな目をして、こう言いました。

「いやいや、違うよ。君が泳げないのを知っている僕が、そんなこと言うわけないじゃん。
そうじゃなくて、ウサギさんは僕の背中に乗りなよ。
それで一緒に、あの島に行こうよ。あの島にはね、君が大好きなニンジンがいっぱいあるんだよ」

それを聞いたウサギはびっくりして、恐る恐る、こう聞きました。

「いいの?」

「もちろんだよ!」

ウサギはしばらく、何も言えませんでした。そして意を決したように、カメにこう言ったのです。

「カメさん、ありがとう!それと、本当にごめんなさい!
走るのが遅い君にのろまとか、かけっこで勝負しようとか、いじわるなことばっかり言ったこと、今更だけど、許してくれる?
実は俺、君のことが羨ましかったんだ。いつもゆったりしてて、慌てなくて、堂々としてて、泳ぎが上手で・・・。
それに比べて俺って実は、すごく臆病なんだ。臆病だから『溺れたらどうしよう』と怖くて泳ぎの練習もできないし、船で行くのも『船が沈んじゃったらどうしよう』と思うと、怖くてできなかったんだよ。
あの島にニンジンがいっぱいあるのも俺、知ってたんだ。だから余計に君のことが羨ましくて。
こんなことは言えた義理じゃないのかもしれないんだけど、カメさんさえよかったら、こんな俺と友達になってくれないか?」

「何を言ってるんだい、ウサギさん。君は臆病なんじゃなくて、慎重派なんだよ。
それに頭が良くて、走るのも速い。フサフサの毛は素敵だし、耳も良くて立派だよね。
そして何よりも、僕たちはもう、友達じゃないか!」

こうしてウサギとカメは、いつまでも仲良く一緒に、暮らしましたとさ。

めでたし、めでたし。

おしまい



つづく・・・