実は私は生まれ持っての高所恐怖症である。
特に高さを意識せざるを得ない、橋の上が大の苦手。
私を打ち負かしたければ、いとも簡単で吊り橋の上に連れて行ってしまえばよいのである。
ちなみに観覧車にも、一度も乗ったことがない。

こんな私であったから、当初客室乗務員になろうなどとは考えてもみなかった。
ただ空港という、一期一会の入り混じるかのような場が異常に好きで、漠然と空港で働きたいという思いから、グランドホステスに憧れていた。

OG訪問の時だったか。

” 残念ながら今年はグランドホステスの募集はないのよ ”

そう言われて愕然としたのを今でもはっきりと覚えている。

” 客室乗務員はどう?
もし貴女が高所恐怖症だから客室を諦めているのであれば、それは大きな勘違いかもしれないわよ。客室は高さをあまり意識しない空間であるし、それに”慣れ'だから ”

彼女のこの一言が私の運命を大きく変えてしまったのかもしれない。

訓練中の脱出訓練では、心の中で悲鳴をあげた私ではあったが、こんな私も無事に訓練を終える。

そして訓練生バッチと共に実機へ。

小さな飛行機はジャンボ機に比べると、どうしてもやはり揺れを強く感じる。

後ろ側にいればいるほどである。

当初、離着陸時に泣きそうになったこともしばしばではあったが、実際にはシートベルトサイン消灯後のやらなくてはいけない ”山のようなリスト”の事で頭がいっぱいで、怖がっている暇など無かった。

そして確かに” 慣れ ”と場数が私のこころを安定させていった。

飛行機は空間という意識が私の中で確立した頃、私は空が一瞬真っ赤になる、という事故に遭遇する。

通常、客室乗務員はお客様と向き合って座るため、進行方向と逆向きとなるが、その日の私は1番後ろのジャンプシート( 客室乗務員専用の簡易椅子 ) に座っていた。

進行方向向きで、窓からは左エンジンが見える席だった。

離陸後数分後、まだ機が上昇中、突然大きな爆撃音と共に空が一瞬真っ赤に!!

左エンジンから微かな煙が出ている。

どうやらこの左エンジンに鳥が入ってしまった模様。
バードストライキとよばれるものだ。

実際にはバードストライキはよくあることで、飛行機は一つのエンジンが損傷しても、そのまま運行が可能である。

その時はまだ離陸して間も無くだったこともあり、直ぐに空港に引き返した。

不思議と怖さは全く感じなかった。

動揺を隠せずにいたお客様を落ち着かせなくては、何の問題もないという事もお伝えしなくては、と必死であった。

エンジンの様子が見えるのは、乗務員の中では私だけだったので、機長や客室責任者に報告したりと慌ただしかった。

自分は保安要員であると強く認識していた瞬間であった。 ( 続 )

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ローマ フィウミチーノ空港

7年前の今日、3月11日は忘れもしない東日本大震災の日。
当時出産を間近に控え、身重だった私は、イタリアのテレビから流れる光景に愕然とし、打ち拉がれました。
被災地にも普通の日常が訪れるようになったとは耳にするものの、それでも心に受けた大きな傷を考えると心がいたみます。
奪われてしまった多くの命に心からのご冥福をお祈りすると共に、被災地の皆様が少しでも心穏やかに過ごせますよう、心よりお祈り申し上げます。


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