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老いた親を愛せますか? 岸見一郎

岸見一郎さんは、大学院生の頃、脳梗塞で入院したお母様の看病をし、アルツハイマー型認知症になったお父様の介護をされた経験があります。

 

介護と育児は似ている点があるとよく言われますが、岸見一郎さんは二人のお子さんの父親でもあるので、親の立場になって気づいたことにも触れられています。

 

また、ご自身も心筋梗塞で倒れたことがあり、あらゆる視点で介護を語っている本でした。

 

 

認知症関連の本だと、医師や介護士など仕事として認知症や介護に携わる方の本が多いと感じます。

 

認知症患者に仕事として接する人と、家族として接する人では違うんですよね。仕事で接する人は、今のその人だけ見てればいい。でも、家族は認知症以前の姿を知っている。知っているから、比べてしまってつらくなることがあると思うんです。

 

そういう気持ちに寄り添ってくれる本に感じました。

 

目次の見出しだけ見ても、心に響く内容が並んでいます。

 

過去を思い出せないのなら、また一からやり直す

子どもが親を幸福にすることはできない

無理に過去を思い出させなくてもいい

親は生きているだけで家族に貢献している

 

各項目が4ページくらいで収められているので、隙間時間にちょこちょこと読み進めやすいです。

 

介護している上で「こうしなきゃいけない」という思い込みを軽くしてくれます。

 

今、介護をしている方にも、介護を終えた方にもおすすめの一冊です。