父は時々、母が入院していることに気づきます。

「入院費用はどうなってるんだ。すごくかかるだろう」

とお金の心配をします。

 

 

 

「高齢者は医療費1割でしょう?それに、限度額適用認定証があるから、自己負担は限度額までで済むの」

と言い聞かせています。

本当はその他にオムツ代、被服代、生活療養費もかかるのだけれど、たくさんかかることを認知症の父に伝えてもお金が出てくるわけじゃない。

 

言い聞かせた結果、

「政府からお金が出るから大丈夫なのか」

という解釈をしてくれました。

 

しかし、

「お母さんの入院費用を稼がなくちゃ」

と言うこともあります。

 

「やっぱりおれが働いて稼ぐなら、百姓仕事だな」

と深刻な顔で言うのです。

 

父は実家が農家で、子供の頃はよく手伝ったみたいだから記憶に染みついているのかも。

ここには畑なんてないし、何十年も畑なんて触っていないのに。