プレドニゾロン

 

反復着床不全での使用

・NK(ナチュラルキラー)細胞は妊娠維持に関与し、末梢血NK細胞と子宮NK細胞があります。

・末梢血NK細胞は強力な細胞障害性を有し、腫瘍細胞や感染細胞を攻撃します。

・子宮NK細胞は黄体期から妊娠初期に子宮内膜間質中に多く存在する免疫を担当する細胞で、子宮内膜リンパ球の60~80%を占めるとされます。

・細胞障害性は低く、情報伝達や成長のためのタンパク質を多く産生し、着床部位のらせん動脈を構築します。

 

不育症や着床不全では、子宮NK細胞の細胞障害性の増加、タンパク質の産生異常を来していることがありますので、末梢血NK細胞を抑制し、子宮NK細胞を賦活化する治療が必要になります。

プレドニゾロンはNK細胞の細胞障害性を低下させ、子宮NK細胞値も低下します。

しかし、プレドニゾロン使用により子宮NK細胞値が低下しても、反復着床不全症例では妊娠率などに改善は見られなかったという報告があります。

一方、米国生殖医学会のガイドラインThe role of immunotherapy in in vitro fertilization: a guideline (fertstert.org)では、

「一般集団の生殖補助医療周期における生児出産の結果を改善するために、刺激時や着床期間中にコルチコステロイドを日常的に使用することを推奨する十分な証拠があります。」とされています。