『さよならアミーゴ』

街はクリスマス色に溢れるある日、
彰(山下智久)の部屋に集まる修二(亀梨和也)と信子(堀北真希)。
平山の豆腐店は、電飾で作られた
ガンモドキの文字が点滅を繰り返す。

「サンタクロースが、出た!」と信子。
「どこで?」彰が聞く。
「夢の、中。」
「んで?」と修二。
「何か、欲しい物は、ありませんかって。」
「で、何て言ったの?欲しい物。」彰が聞く。
「それが、そのとき、欲しい物思いつかなかったから、」

「私は、いいので、桐谷修二の所へ行って下さい。」
夢の中で信子はサンタクロースに『桐谷修二』と習字で書いた紙を見せて
言う。

「・・・!!出た!!俺の夢に出てきたよ!」と修二。
「ほんと?」と信子。
「嘘つき!」と彰。
「マジマジマジマジマジ!
 出てきて、あ、俺も聞かれたの。
 欲しい物ですか、is it, now?って!」

修二の夢に現れるサンタ二人。
「いや、僕もういいんで、なんだったら、草野んところに行って下さい。」
弟の浩二君が目を開けていたような!?

「俺んとこって?」と彰。
「そう!」
「サンタクロース、来た?」雪だるまをマイク代わりに差し向ける信子。
「嘘つきか!?二人揃って。 
 そんな話ね、ぜんっ・・・
 ある!」
「出た?出たでしょ?」
「サンタクロース、何だって?」信子が聞く。
「プレゼント・フォーーッ・ユー、するよって。」

「欲しいもんっすか?
 えーっ・・・カレーパン!」

「って言いました。」

そこへ、平山がサンタの衣装に身を包みやって来た。
「これさ、貰ったからみんなで食べて。」
「サンタだ!」と信子。
「町内会のね、福引の当番押し付けられちゃって。
 じゃ、良い子のみんな、メリークリスマス!」
「メリクリ!」
平山が差し入れたものは、なんと、カレーパン!
「サンタクロースが、願い、叶えてくれたんだ!」と信子。
「だね!」と彰。
「つーかお前!なんでそういう風に、善意の輪を、断ち切っちゃうかな。
 よりによってお前、カレーパンだよ!」と修二。
「・・・だって、紹介で来たとか言われてねーもん。」
「そこでお前が、野ブタ。の所に行ってやってくれって言ったら、
 善意の輪、完成したわけじゃん。」
「カレーパンに、変えちゃったんだ。」信子も言う。
「せっかくいい話を・・・カレーパンだよ!」と修二。
「最悪だな。」彰も言う。
「どうしようもねーよ。
 俺、帰るわ。」
「私も帰る。」
平山のお土産のカレーパンを手に、こたつから出る二人。
「何で?まだチャイム鳴ってないんじゃん!
 ちょっと、チャイムまだ鳴ってないでしょ。
 え!?
 夢の話じゃん、それ。大人になれよ。」


平山の豆腐屋の看板、『とうふ』の"と"の字が隠れ、
『うふ』になってるのが妙にツボでした!


彰の家からの帰り道。
「ちょっと、冷たかったかな。」信子が彰を心配する。
「大丈夫でしょ。大丈夫大丈夫!」
修二は信子に引越しのことを話そうとする。
「あのさ・・・」
「ちょっと待って!今・・・今、笑えそうな気がする。」
「じゃ、ちょっと、やってみ。」
信子が修二を見つめ、笑おうとしてみる。口元がぎこちなく動く。
「あと、もうちょっと、かな。」
「・・・そう。」
「あともう少し!」
「あ、今、何か言おうとした?」
「え?俺?
 ・・・なんだっけな。
 何だっけ。あ、忘れちった。・・・忘れた。」


「言えなかった。
 転校すること・・・。

 今日こそ言う。
 絶対に、言う!」


修二は屋上で信子と彰に打ち明けようと声をかける。
「あのさ、」
「俺さ、みんなに言いたいことがあるのよん。
 何で俺のこと、・・・名前で呼ばないの♪」
(お菓子のCM、『教えてあげないよ!』という感じ)
「え、呼んでなかったっけ?」
「なんて、呼んでたっけ?」と信子。
「ねえ、とか、ちょっと、とか。
 俺は修二とノブタって呼んでんのに、
 俺だけそれは、ないだっちゃ!」
「バカお前!呼んでっから!
 ほら、あの、草野って。」
「それ、た、他人っぽいっちゃ。」
「じゃ何?何て呼んでほしいの?」
「ムフフフフ。」

彰の妄想モード。
「ねえ、彰ったら!」
かっぽう着姿の信子が、手でキツネを作り、「クン!」

「下の名前で呼んで♪」(だんご3兄弟のメロディー)
「下の名前って何♪」
「彰ショーック!知らないの!?
 あきら!!」
「あー、ハイハイハイハイハイ。」
!」
「お前怒ってんの?
 ハハ。お前、これでいいの?」と修二。
「いや怒ってないよ。」と彰。
「もう一回呼んでみ。」
「・・・彰っ!」
「ちょ、もっと、優しく。」
「・・・あ、彰っ。」

「これ以上、仲良くなるのは、嫌だ。」

「俺の名前も呼んでみ。」
「修二。」
「優しい!」彰がヤキモチを焼く。
「じゃあ、修二と、彰って呼んでみ。」
「修二と・・・彰っ!」
「俺は誰だ。」そう言い彰も笑う。


「もうすぐ別れてしまうのに、
 仲良くなったって、悲しいだけだ。」


突撃飯のレポートをする信子。
今日のターゲットはチエと文太。
「それでは、最後に、質問です。
 ラブラブですか?」
「ラブラブです!」チエが答えるとクラス中大騒ぎ。
チエの手料理を口に運び、
「マズイ!」
信子のマズイ、に生徒たちは大うけ。
彰も優しい眼差しで信子を見つめる。

収録が終わると、廊下から見ていた後輩たちが
「小谷先輩!一緒に写真、撮って下さいー!」と声をかけてきた。

ゴミ袋を手に、焼却炉へと歩いていると、教室の窓から生徒たちが
「小谷さーん!」と声をかける。
信子が振り向くと
「がんばってー!」と笑顔で手を振る。
気がつくと、あちこちの窓から生徒たちは顔を出し信子に声援を
送っていた。

窓からだけでなく、校舎のあちこちから生徒たちが信子目がけて
走ってくる。
「小谷さん!サインして下さいー!」

「なんか小谷、すごいな!」
ヨシダ、タニ、シッタカと一緒に、修二も
生徒たちに囲まれる信子を見て微笑んだ。

その日も3人は彰の部屋に集まっていた。
彰は封印の壷を見てため息。

「あのさ。」3人が同時にそう言う。
「何?」修二が言う。
「あ・・・俺はいいや。た、たいしたことじゃないから。」と彰。
「じゃ、ノブタ。」
「私・・・なんていうか・・・。
 二人に、ここまでやってもらって、
 こんなこと言うのもどうかと思うんだけど・・・
 本当は、突撃レポートやってるの、・・・辛い。」
「じゃあ辞めるか?」と修二。
「え?いいの?」
「うん。だって嫌なんでしょ?」
「でも、そういうの我慢しないと、人気者にはなれないんだよね。」
「ぶっちゃけなんか、人気者がいいっとかいうの、
 わかんないからなー。」
「でもさ、俺たち、野ブタ。を人気者にするっていう
 話じゃなかったっけ?」彰が窓の外を見ながら言う。。
「そうなんだけどさ・・・。」
「彰っ。何が言いたかったの?」
「いや、俺はいいよ、やっぱ。
 たいした話じゃないし。」
「言えよ、気になるじゃん。」
「ほんっとに、あの、止め。中止。
 よくない。こういうの。」
「彰っ。」彰の前に立ち、信子が言う。
「嫌だ!」
「彰・・・。」
「・・・わかった。わかったよ。
 言えばいいんでしょ。」

彰は封印の壷をこたつの上に置く。
「何これ?」
「こん中に、俺の忘れたいものが入っているのよん。」
彰が壷の蓋を取る。
「臭っ。何これ!?」
ぬかみその中から、信子は紙を取り出して広げてみる。
「生物の・・・テスト・・・。28点・・・。」
「え?何?こんなの忘れたかったの?」と修二が笑う。
「これじゃねー。あれ!?ない!!
 ・・・ないから、お前が先に言え。」
「何だよそれ。
 ・・・俺さ、・・・年明けたら、引っ越すから。
 だからあの、今学期で、この学校とは、お別れ、みたいな。」
ショックで動きが止まってしまう彰と信子。
「それは・・・もう、決まっちゃったって、こと?」
彰に聞かれ、修二は頷く。
信子は黙って部屋を出ていってしまった。
「野ブタ。・・・。」
「ちょっと、野ブタ。、いいのか?」
修二は彰に追いかけるよう言う。
「・・・マジ引っ越すの?」
「うん・・・。」
彰は信子を追いかけた。

部屋に一人になった修二は、彰の封印の壷を探ってみる。
すると中から、信子が修二を抱きしめる写真が出てきた。
「あいつ、知ってたの・・・。」

信子は公園のブランコの柵に座っていた。
「そ、それじゃ、さ、寒いっしょ。」
彰はそう言い、信子の背後からマフラーをかけた。
「はい。
 上着持ってくんね。」

彰の壷は元の場所に戻されていた。

=桐谷家=
父・悟が疲れきって帰ってきた。
「飲んでんの?」修二が聞く。
「転勤ともなるといろいろとあるんだよ。
 友達との別れの杯。ガチーン!さらばじゃ。」
「・・・友達ってさ、作ろうと思って出来るもんじゃないよね。」
「・・・お前ここに残るか?」
父の言葉に驚く修二。
「え・・・。」
「高校も後1年だしさ。下宿かなんか探して。
 お前なら大丈夫だろう。」
「何で!?お兄ちゃんだけずるいよ!!」浩二がふくれる。
「そうだよ。
 それにほら、俺がいなくなると、困ることとかあるでしょう?
 家事のこととかさ。」
「お前ってほんっとに苦労するな。
 まずは、自分のことを考えろっつーの!」
少し酔った父は修二を指差しそう言った。

父の言葉にもっと喜ぶかと思ったら、修二はどこか複雑そうですね。

教室の窓から修二が登校してくる元気ない姿を見つめる信子と彰。
「本当は、寂しいのは、私たちじゃなくて、修二の方だよね。」
「そういうとこ、本当に人に見せないヤツだから。」
「気持ちよく、行かせてあげたいよね。
 笑って、見送ってあげたい。」
「出来る・・・かな。」
「やる。」
「・・・はい。やる。」

いつの間にか、彰よりも信子の方が強く成長していますね。
そして彰はそんな信子に影響を受けているようですね。


廊下で修二を待ち構える彰と信子。
「何して欲しい!?」信子がいきなり尋ねる。
「え?」
「何して欲しい?」修二の袖をひっぱりながら繰り返す信子。
「何って、別に、ないよ。」
「何して欲しい?」
「何か言わないと野ブタ。が納得しないの。」と彰。
「最後に、何か、記念に残ることしたいなーって。」
「いやほんと、記念とかさ、俺いいから。」
「俺なら、すぐ思いつくんだけどね。」と彰。
「じゃ、じゃ、たとえば?」修二が聞く。
「たとえば、フッ。
 野ブタ。に、巫女さんになってもらって、」
「巫女さん?神社の?」と修二。
「で、野ブタ。パワー、注入!してもらう。」
「野ブタ。が巫女さんか・・・。
 いやでも、利きそうだね、それ、すごい!」
修二がそう言うと、信子は全速力で教室に駆け込み、
カバンを手に取り、そしてまた走る!
「野ブタ!?帰っちゃうの!?」と彰。
「ちょっと待って、今の本気にした!?」と修二。
「冗談だって、どう考えても。」
「冗談だってわかるよな!?」
「俺はわかる!」

信子が向った先は、近所の神社。
「たのもう・・・。
 たのもう~。」
お札を売る窓口で声をかける信子。
すると中から、ゴーヨク堂店主(忌野清志郎)が出てきた。
「・・・なんで?」
「ここ、私の実家。」
「神主さん?」
「イエーィ!」

自転車を押しながら帰る二人。
「俺だけさ、残ってもいいって、父さんが言ってくれたんだよね。」
「マジで!?引っ越さなくていいってこと?」
「でもさ。自分だけなんか、好き勝手やるのはなーって・・・。」
「何言ってんの?好き勝手やんのは当たり前でしょう。
 人として生まれて、自分勝手に生きなくて、doする!」

そこへ、巫女の姿の信子が二人を追ってくる。
「野ブタパワー、注、入!」
信子は息切れしながら、修二に向って心を込めて祈る。
「・・・本当にやってくれたんだ・・・。」
「まじのすけ!?」
「私、何でもやるから。
 それぐらい、修二には、感謝してるから。
 ・・・じゃ、バイトの途中だから。」
信子はそう言うと、また走って戻っていく。

「バカだよな、あいつ・・・。」と修二。
「だな・・・。」
二人はそう呟きながら信子の背中を見送った。

浩二が友達に追いかけられている。
「助けてー!やめてー!」
浩二は友達に囲まれてしまい・・・。

「やめてよ・・・。」
浩二の声に目が覚める修二。
「・・・夢?」と呟く修二。

ふと、修二は隣からかすかに聞こえてくる泣きじゃくりに気付く。
「浩二・・・。
 声出して泣けよ・・・。
 引っ越すの不安なの?」
浩二は目を閉じたまま頷く。
修二は浩二に添い寝をし、頭をぽんぽんと優しく叩きながら言う。
「大丈夫だよ。心配すんなよ。」

あの夢は、修二が見た夢?浩二が見た夢?

=学校=
昼休み、クラスでは信子の突撃飯レポートに大笑い。
そんな中、修二は彰の席の後ろに座り、決意を語る。
「俺さ、やっぱ、引っ越すわ。」
「何で?」
「弟のことも心配だし。
 だってさ、うちの親父が、仕事で遅くなった時とかさ、 
 あいつ一人でメシ食わなきゃいけなくなるわけじゃん。」
「そりゃ、そうかもしれないけどさ、
 何で、もっと、自分のこと、大事に、しないの?」
「誰かの為に・・・っていうのはさ、
 自分を、大事にしていないってことなのかな・・・。
 俺さ、野ブタ。の為に、一生懸命やっている時が、
 一番自分らしかったなーって、思うんだ。
 お前もそうじゃない?」
信子と過ごした日々を思い出す二人。

信子を変身させようと、3人で買い物したこと。
水族館で倒れた人に付き添い乗った救急車の中で、
信子の手を自分の頬に当てたこと。
信子を自転車に乗せて、柳の木を見せようとペダルを必死に漕いだこと。
制服のズボンに『キザ』『バカ』と書いたこと。

彰が指を鳴らして返事をする。
「野ブタ。だってさ、誰かを喜ばそうとしている時が、
 一番なんか、生き生きしてない?」
修二と彰はそう考えながら、テレビに映る信子を見つめた。

カスミ(柊 瑠美)の家を訪ねる信子。
「学校、出てこないの?」
「・・・学校行ったら、また小谷さんのこといじめちゃうかも
 しれないし。」
「・・・いいよ、いじめられても。
 蒼井さんの意地悪、全部、私が受け止める。
 受け止めて、見せるから・・・。」
「小谷さん、バカだな。
 ほんとバカだよ。」そう言い微笑むカスミ。
「だから、学校、来て。」
「考えとく。」カスミはそう言い、また微笑んだ。


カスミ、学校を休んでいるんですね。
そんなカスミを訪ねていく信子。
そして、カスミへの言葉に、感動しました。


巫女のバイトを続ける信子。
絵馬には
『蒼井さん復帰』
『彰
 楽しいことがいっぱい』
『修二
 どこに行っても大丈夫』
と願いが込められていた。

そこへ、子供たちが走ってきて信子にぶつかる。
信子の手が木の枝を掴み、それを折ってしまう。

「あー!折ったの?
 これね、結構大事な木なんだよね。」
「ど、どうなるんですか?」
「罰が当たる。」
「バチ?」
「それもね、自分じゃなくて、自分の一番大切な人に、
 当たっちゃったりするんだよね。」
「こ、困ります!」
「うーん。ま、じゃ、とりあえず、これ、その人に渡しといて。」
店主はそう言い、千束神社の御札を一つ信子に渡す。
「あ、もう一つ、もらえますか?」
「一番大切な人なので、一つしかダ~メ、ダメダ~メ!
 こうしているうちにも、その人の身に、何か起こっているやも。」
信子は小枝を投げ捨て、慌てて走り出す。

巫女姿の信子が街の中を走る!走る!走る!

川のほうで見た、と人に聞き、やっと修二と彰を見つける信子。
「修二!彰っ!」
「一体doした!?」
「何ともない?」
「え?」
「バチとか、当たってない?」
「バチって言われても、ねぇ。」
「神社の、木の枝、折っちゃって、私の、大事な、一番大事な人に、
 バチが、当たるって。
 だから、一番大事な人に、これを渡せって。」
「ハイ!野ブタ。の一番大切な人って、誰だ!?」彰が聞く。
「・・・」黙って二人を指差す信子。
「それ一つしかないじゃん。」と修二。
「一番だから、一つだって。
 ・・・選べない・・・。」
「じゃ、それ、彰に上げていいよ。」
「ウェイツ!ちょっと待て!
 doしてお前はそうやっていつも、カッコいい方ばっか選ぶの!?
 それじゃまるで、俺がバチにビビッてる臆病者みてーじゃねーか。」
「え、じゃあいいよ。ハイ、俺がもらう。」
「ちょっと待て!
 もし俺が一番大事な人だったら、バチもろに食らっちまうじゃないか。」
「どっちなんだよ、メンドクセー。お前、ほんとメンドクセー!」
「doする?」と彰。
「のこぎり、持ってる?」信子が聞く。
「そんなのないから。」と修二。
「持ってるんだよね、これ。はい!
 こういう時に備えて、持ってんだよ。」と彰。
信子は彰からのこぎりを受け取り、御札を半分にしようとする。
「ちょっと!お前何しようとしてんの?
 おい!おい!待て!な?待とう。バチ当たるから。」
「だ、だって、どっちも、大事なんだもの。」
「じゃあもう、切るしかない。Do it!」と彰。
信子がのこぎりをお札に当てる。
「non do itだよ。ヤメ!ヤメヤメ!」
信子からそっとのこぎりを受け取る修二。
「・・・わかった。
 ごめんなさい。」
信子はそう言いお辞儀をすると、御札を川に投げ捨てた。
あっけにとられる二人。
「さ・・・三人で、バチ当たろう。」

その頃、神社で転んだゴーヨク堂店主、木の枝につかまり、
枝を折ってしまう。
「あっちゃー!折っちゃってるよ・・・。
 私の、一番大切な人って、誰!?」

=学校=
「注目!血~出てる!」人差し指を出してそう言う彰。
「いや出てないよ。」
「バチが当たった!」
「いや当たってないでしょ。」

バチが当たる=信子の一番大切な人。
彰としては、当たりたいような、ちょっと怖いような心境!?


そこへ、シッタカ(若葉竜也)が車椅子で登校してくる。
身体中包帯だらけのシッタカ。
「どうした!?」修二が聞く。
「ちょっとさ、階段から落ちちゃった。」
「マジかよ!?」
「あ、でも全然平気だから。」

「バチ当たったってことじゃねーか!!」
彰が慌てて信子の席に行く。
「野ブタ。の好きなの・・・シッタカ!?」
「・・・どうだろう、ね。」
「無きにしもあらず!!」

まさかここでシッタカが大怪我するとは!
デートした二人です。もしや・・・!?
ってことはなさそうですね。(笑)


修二は職員室でヨコヤマ(岡田義徳)から転校の書類を受け取る。
「桐谷君、転校なんだ!」
「はい。いろいろ、お世話になりました。」と黒木(たくませいこ)。
修二が教師たちにお礼を言う。
「転校すんの?
 転校するのかー。寂しくなるな。
 餞別!」
セバスチャン(木村祐一)が袋から取り出し差し出したのは、アンパンだった。


コッペパン、カレーパン、アンパンと、パンの登場が多いですね。(笑)

職員室を出た修二は、階段でまり子(戸田恵梨香)とぶつかる。
「まり子・・・。」
「ごめんね。」
落ちた書類を拾うまり子。
「・・・大丈夫?」
「・・・俺さ・・・」
「うん?」
「・・・転校することになたから。」
「・・・」
「これだけは、ちゃんと自分の口から伝えなきゃなーと思っててさ。
 ・・・じゃあ。」

「みんな!みんな、聞いてって!
 修二転校だって!!」
タニ(大東俊介)の情報にクラス中大騒ぎ。
「全然知らなかった。」
「いついつ?」
「今月いっぱい。」
「マジのすけ?」
「じゃあそんなに日にちないじゃん。」
「何で言わないんだよ、あいつー。」

そこへ修二が戻ってきた。
「修二!おまえ転校するんだって?」
「あ。言ってなかったっけ。」
「なんだよー!」
「いつ引っ越すの?」
「週明け。」
「何でお前、言わないんだよー。」
「バカヤローテメェ!
 何でそんな大事なこと黙ってんだよ。」
バンドー(水田芙美子)たちも輪に入っていく。

輪から離れたところでその様子を見つめる彰と信子。
「久しぶりだね。 
 修二の周りに、人がいっぱいいるの。」と彰。
「うん。」
「Good!」

没収箱から修二の私物を探すヨコヤマ。
「お前から没収したものなんてあったっけ?」
「いや、多分ないですね。」
箱の中からトランプ2枚を手に取る修二。
「お前の悪いところは、全てのゲームに勝とうとするところだな。
 さしずめ、これ(スペードのエース)だ。
 でも、2が一番強いゲームもある!
 自分が勝てるところで勝負すればいい。
 ほれ、プレゼント。(修二の胸ポケットにトランプを入れる)
 お!俺今すごい、いいこと言わなかったか?」
「そうですね。」修二も笑顔で答える。

黒木が修二に声をかける。
「これ、餞別。」
「本当ですか?ありがとうございます!
 すご!手編みだ!
 ・・・なんで、Hなんですか?
 僕のイニシャル、K.S.なんですけど。」
「若いんだから細かいこと言わないの!」
「あ、あの・・・もしかして、失恋ですか?」
「(泣)・・・私も、頑張る!」

イニシャルHって誰でしょうね。
セバスチャンだったら面白いのに!
でも『早乙女』としか載っていなかった。
は!もしかして、平山!?は、接点もないし、違うか。(笑)


「桐谷君、君、転校するんだって?」校長(不破万作)が話しかける。
「はい。お世話になりました。」
「じゃあね、君。これで、好きなものを、」
そう言いながらサイフを取り出す校長。
「食べなさい。」
サイフの中から出したものは、割り箸だった!
「いいんですか?」と言い受け取る修二。
「寒い冗談だから。」とヨコヤマ。

「すぐに戻りますから。」
修二の母・伸子(深浦加奈子)はそう言いタクシーを待たせて
家へ駆け込む。
「ちょ、ちょっと、ちょっと待ったー!」
「何。何帰ってきたのー!」驚く悟。
「あったー!」伸子は引き出しの裏側から何かを取り出す。
「何?」
「見せたくないもの隠してたの!
 カトマンズ歩いてて、急に思い出しちゃって。」
そう言い取り出した封筒を確認する伸子。
修二と浩二は母の勢いに驚きただ見ている。
「電話してくれたらよかったじゃない。」と悟。
「だって、見るじゃない。」
「いいじゃない、見たって。夫婦なんだからー。」
「じゃあ私、戻るわ。
 あ、今度帰ってくるの、新しい家よね。
 間違えないようにしなきゃね。アハハ。じゃあね!」
「可愛い・・・。」と悟。

伸子は、手紙を一通廊下に落としたことに気付かずに出ていった。
浩二がそれに気付き拾い上げる。
「あ!これ、桐谷悟って書いてある!」
「俺が、若い頃に出した手紙だ!」
「なに、ちょっと待って。
 これ取りにわざわざカトマンズから戻ってきたの?」と修二。
「自分の中だけにしまっておきたい思い出ってあるんだよなー。
 捨てられるのも見られるのも嫌だったんじゃない?」と悟。
「うっそ!ノブたんって呼んでたの?」
「え・・・。
 見るでない!子供!」
「閉まっておきたい、思い出か・・・。」修二がそう呟いた。

終業式の日。
友達と一緒に体育館へ向う修二は、上着を忘れて教室に取りに戻る。
教室には伸子と彰がいた。
そこへ、キャサリン(夏木マリ)がやって来る。
「ちょうど良かった!」
キャサリンは、信子にピンク色の人形、修二には少し迷って青い人形、
彰に、最後の緑の人形を、一つずつ人形を握らせる。
「何ですか、これ。」修二が聞く。
「あげる。
 これね、二つ集めると、幸せになれるらしいよ。」
「幸せになれるんだったら、先生そのまま持っとけばいいじゃん。」と彰。
「幸せ、分けてくれるんですか?」と信子。
「一個ずつだから、今は、幸せの種みたいなもんね。
 あとは、あなた達の運と努力で増やして、幸せになって、
 その幸せを、人にもあげられる大人になって下さい。
 がんばって!」
キャサリンはそう言うと、彰にハイファイブし、
教室の窓を飛び越えて出ていった。
三人はその人形を見つめ・・・。

ブタのお守りのように、このお人形とその言い伝えも実在するのかな。
検索してみたけどわかりませんでした。


=クリスマス=
彰の家でお祝いする3人は、ジングルベルを歌いながらプレゼント交換。
歌い終わったところで、自分の手にあるプレゼントを開ける。

信子のところに来た野ブタ。のイラストの箱の中には、緑に白いボタンの人形。
修二のところに来た緑色の小さな紙袋には、ピンクに赤の水玉の人形。
彰のところに来た白い小箱には、青と白のストライプの人形。

「結局みんな、元の、一個ずつってこと?」と修二。
三人はテーブルの上に、その木製の人形を並べて置いた。

窓から雪の降る景色を見つめながら、修二が信子に言う。
「俺さ、なんか、今まで、人を好きになるっていうのが、
 イマイチよくわかんなかったんだけどさ。
 なんか、野ブタ。のお陰で、わかった気がする。
 なんか一緒に、ものを食べて楽しかったりとか、
 同じ景色を見て、わぁ、この景色一生忘れねーんだろうなーって
 思ったりとか。
 なんか、死ぬほど笑ったりさ。
 時には、心配とかもしちゃったりして。
 あと、もっと一緒にいたいなーって、思ったりさ。
 なんか人を好きになるって、
 そういう、ささやかなことだったんだなーって。
 この先、もし俺が、誰かを好きになるたびに、
 野ブタ。のこと、思い出すと思う。
 なんか全部、野ブタ。が教えてくれたんだなーって、
 思い出すと思う。
 小谷。・・・ありがとな。」
「私のほうこそ、ありがとう。
 ってしか、言えないのが、悔しい。
 今、思ってること、全部伝わればいいのに。
 どれだけ、感謝しているか、ちゃんと、伝わればいいのに・・・。」
修二は信子の肩を叩いて言う。
「わかってるよ。
 うん。俺も・・・同じだし。
 ちゃんと・・・なんか、まり子にも伝えなきゃなーって。」

翌日は快晴の青空。
「どこ行くの?」まり子が聞く。
「海。」
「海?」
「行こう行こうって言って、なかなか行けてなかったじゃん。」
そう言いながら、まり子と修二は学校へ向う。

教室の窓ガラスには、ヒトデやさんご、タコ、魚などのシールが貼ってある。
教室の中にはビーチパラソル、ヨットの置物、ビーチボール。
黒板には、常夏っぽい絵が描かれている。

「時間なかったからさ、海のつもりで。
 まり子と一緒に、弁当とか食べようかなって思ってさ。」
「修二が作ったの?」
「うん。」
どこからか、波の音が聞こえてくる。
「ほんと、海みたい。」まり子が微笑む。

その頃、放送室では信子と彰が小豆を入れた道具を傾け、
波の効果音を作っていた。

「寒くない?」
「寒い。けど、なんか楽しい!」
「俺ってバカだよな。いっぱい時間あったのにさ。 
 まり子と、楽しもうと思えばさ、いくらでも楽しめたになーって。」
「そんなこと思ってくれてたんだ。」
「今度会う時はさ、もっと、マシな人間になってるつもりだから。」
「・・・おいしい!」
「ほんとにおいしい?」
「うん。
 きっと忘れないと思うよ。この味。」

まり子は帰る途中、廊下で信子と会う。
「小谷さん!
 さっきはありがとう。」
信子がどうやって波の音を作ったのか、まり子に説明している。
教室を片付ける修二は、二人が話をする姿に気づく。

「学校で最後に見たのは、まり子と野ブタ。が、
 楽しそうにしている風景だった。
 それは、なんだかとても、
 とても幸せな気持ちにしてくれた。
 
 俺と彰は、明日もあるように別れて、
 お互い一度も、振り返らなかった。」


「バーイチャ!」

そう挨拶し、歩道橋をそれぞれの道に向って進む二人。

職員室では教師たちが修二を見送る横断幕を作っていた。
『桐谷修二は永遠に不滅です』
『胴谷修二』
「あ!先生!字、違います!」黒木が指摘する。
「あぁぁ!胴谷になってる!!」慌てるセバスチャン。
「やーだちょっと!もう、どうすんのよぉ!」とキャサリン。

「すみません。桐谷の出発、明日じゃなくて今日でした!」とヨコヤマ。
「今日って、もう出ちゃったってこと?」と校長。
「じゃあ、間に合わないじゃないですか!」と黒木。
「よかった。」とセバスチャン。
「よかった!?」
「いえ、よくなかった!」

「グッドラック!」
キャサリンはブラインドの隙間から、外に向ってそう笑顔で呟いた。

「ほら!見送りに行くんだろうが。」平山が彰の布団をはぐ。
「行きたくないぜ。」
「苦しいからって、逃げてどうすんだよ。
 修二と会ったことも、全部なかったことにすんのか?
 苦しいことを投げ出すってことはさ、
 楽しかったことも全部投げ出すってことなんだぞ。
 いいのか?」
「・・・なかったことになんて、出来ない。」
「じゃあ最後まで見届けろよ。な!」
平山の言葉に頷く彰・・・。

携帯カメラでマンションの姿を納める修二。
浩二と悟は先にタクシーに乗り込んだ。

修二は業者のトラックの助手席で、新居へと向う。

修二の携帯がなる。
「もしもし。」
「もしもし!修二、左ー!!」
ヨシダたちの声に、修二はトラックから顔を出す。
土手の上に、クラスのみんなが集まっていた。
「すいません!ちょっと、停まっていいですか?」

トラックを降り、みんなの元へ向う修二。
「寂しいじゃないかよ、バカヤロー。」とバンドー。
「来てくれたんだ。」
「おぅ!お待たせ!」「来たよ!修二!」
輪の一番外側に、彰と信子がいた。
二人が、野ブタ。パワー、注入!とポーズを作る。
修二も小さくそれに答える。

土手の下には、カスミも来ていた。
静かに微笑むカスミに、修二も微笑みを返す。

それからみんなで写真撮影。
『せーの、バイセコー!』6人。
『せーの、ガッテン!』8人。
『せーの、ハイ、ガリ勉!』4人。
『ファイトー!イャー!』5人。
『ハイ、キムチ、コン!』5人。
『ハイ、イケメン!』4人。
『ハイ、カブト!』『コン!』信子、修二、彰が写真に納まる。

最後に、全員集合し
『これって、』『デスティニー!?』
デスティニーの合図に合わせてポーズをとった。

「ほんとに、ありがとね。」
修二がトラックに乗り込む。
「バイセコー!」
「修二、がんばれよ!」
「修二!」「修二!」
クラスのみんなが修二を乗せたトラックを追いかける。
信子と彰は、両手を握り締め、修二にエールを送っていた。

「野ブタ。パワー、注入。」

修二は拳を握り締め・・・。

海沿いの町、詰襟の制服姿の修二は、新しい高校へと自転車を走らせる。

「この世の全ては、ゲームだ。
 負けたと思い込んで、途中で降りてしまうやつは、バカだ。」


学校のトイレでしっかり身だしなみを整える修二。
「すいません。ちょっと緊張しちゃって。」
待っててもらった教師にそう話す。


「最後まで生き残って、ゲームを心行くまで楽しんだやつが、勝ち。
 この世は多分、そういうルールだ。
 今度の桐谷修二は、何があっても、挫折しない。」


「東京から着ました、桐谷修二君です。」担任が紹介する。
「桐谷修二です。よろしくお願いします。」
修二はクラスにお辞儀をし、そして顔を上げる。
そして、その場に固まる修二。
教室の隅に彰が!手でキツネをつくり笑っている。
「げ・・・幻覚!?」
「どうした?」担任が聞く。
「え、あ、ごめんなさい。緊張、しちゃって。」
生徒たちが修二を拍手で迎える。
だが修二の視線は彰に釘付け!

「うそだぁぁぁぁ!!」

「・・・挫折してしまった。」


「いよ!」生徒たちが修二に声をかける。
「あ・・草野君て、いつ転校してきたの?」
「昨日っすよ、昨日!」
「すっげーよな。校庭にヘリコプターで降りてきてさ!」
「ブッシュみたい!」

「山崎と、ウミガメが、やばい!!」
彰が教室に走りこみ、みんなに伝える。
「どこ?」
「体育館!」
生徒たちが体育館へと走り出す。
彰は修二の手を取り、
「やばいんだよ。修二じゃないとダメだから!」
と引っ張っていく。
「山崎とウミガメって、何だよ!?」

その頃、まり子は信子と楽しそうに話をしながら廊下を歩いていた。
「ちょっと待って。」信子がまり子を引き止める。
「ん?」
「私、笑えてる?」
「うん。笑えてるよ。ほら。」ポケットから鏡を出して見せるまり子。
鏡に映る自分の姿に、信子は思わず廊下を走りだす。
おもいっきりガッツポーズをし、生徒たちの間を縫うように走る信子。
屋上への階段を駆け上がり、そして、ふと、足を止める。
「・・・そうか。
 二人とも、もういないんだった。」

教室。ヨコヤマの授業。
信子は彰と修二の机を見つめ、そして、窓の向こうのを見上げた。

「つーかお前、何で来た?
 これでまた野ブタ。が一人になっちゃったじゃんかよ。」
自転車で家へ向かいながら修二が彰に言う。
「野ブタ。が言ったんだよ。
 修二、と、彰は、二人で一つ、だってさ。」
「野ブタ。が言った?」
「私は一人で大丈夫よって。」
「あいつ本当に一人で大丈夫なのかな。」
「最初の3日は泣くけど、あとは絶対立ち直って見せるのよーんって。」「」
「なに野ブタ。、そんなこと言ってたんだ。」
「ああ。」
「そうか。」
「なあ。この空のずーっと向こうにさ、野ブタ。はいるんだっちゃ。」
「・・・ね!あの雲さ、笑っているように見えない?」
自転車に乗りながら、二人は青空を見つめる。

その頃、学校の屋上で青空を見上げる信子。
「私、笑えるようになったよ。
 ちゃんと、笑えるようになったよ!」
信子はそう言い、青空を見つめて微笑んだ。

「俺たちってさ、」海を見つめながら修二が言う。
「え?」
「どこででも生きていけんだよなーって。」
「何?聞こえねーでしょうが。気になるだっちゃ。」
修二は嬉しそうに微笑み海岸を歩き出す。
彰が修二にまとわりつき、そして二人は波に戯れて楽しそうに遊んだ。

「俺たちは、どこででも、生きていける。」