検疫ってそもそもなんなんですか??を考えてみました。 | 鳥の保護活動/TSUBASAみらくる日記

検疫ってそもそもなんなんですか??を考えてみました。

こんにちは、涌井です。

今、現在検疫室にはご存知のようにセキセイインコがいますがそもそも
検疫とは何をしているのでしょう?
「検疫室」や「輸入検疫」、「家庭内検疫」なんてよく耳にしますが
一体それはなんなんでしょうか??

私も、まだまだ勉強不足ですが少し書かせていただきます。
皆様と一緒に考えていければうれしいです。まずは・・

検疫とは、
『新しく迎える動物の中に調子の悪い個体がいないか見極める』ためのものです。
検疫期間とは、
『隠れている病気が表面に現れてくるのを見極める時間』です。

☆☆勝手に!検疫5つのチェック☆☆


其の① ~検疫の条件~
検疫というのは、TSUBASAのルールでは45日間施設内の鳥とは一緒にせず・・
施設内の鳥とは空気の交わらない(同じ所からの排気ではない)
不特定多数の人間が入ることのできない
以上2つの条件の空間で、お世話をすることです。


其の② ~目的~
新しく入る緊張している鳥たちの体調をチェックすること
伝染性の病気が(施設内の)先住の鳥に伝染らないようすること

施設内の鳥と新しい鳥の両方のためにするものです。


其の③ ~調子の悪い個体の見極め~
どうしたら、検疫中に具合の悪い鳥を発見しケアして
病気を施設に入れずに済むのでしょう。

☆日ごろの観察
やはり、毎日の観察が何より大事です。
具合が悪そうなら、感染症の疑いだってあるわけですからまずはスタッフが日ごろのチェックをしっかり行うよう心がけます。
(食欲は?便の状態は?行動は?体重は?見た目は?)
などなど皆様が日ごろやっていることと同じです。


☆積極的検査
見た目では病気がわからない時もあります。
その時の為に検疫期間中に、獣医さんに検査をお願いしています。
(身体検査・そのう糞便検査・時に血液検査・病原体検査)


其の④ ~検疫期間~
TSUBASAでは、検疫は45日間です。
でも、実は45日という数字は決まったルールがあるわけではなく、あくまでもTSUBASAでの決まり事です。
例えば、輸入検疫は米なら30日・英なら35日など国際的な検疫すら標準はないのです。
では、検疫期間はどうやって定めているのでしょう。
この検疫期間の設定というのは、『万が一新しい鳥が病気を持っていたらその病気が表面に出てくるであろう期間』です。
だいたいの場合は30日で病気があれば出てくると言われます(病原体にもよります)
検疫は日数に意味があるのではなく、隠れた病気が現れるのを待つ時間と言いかえられます。
だから、検査結果を待ち病気が表面に現れるのを探るために必然的に期間は少し長くなります。


其の⑤ ~万能じゃないから~
検疫も、万能ではありません。
検疫で、全ての病気を発見完治できたら感染症が広がるような事はありません。
病原体を調べ日ごろの観察をきちんとしていても体の奥に入り込んだ病原体を
100%発見はできません。
だから、施設に入ってからも定期的に全ての鳥の検査を実施しています。




長くなってしまいましたが・・
皆様も家庭内検疫という言葉を聞いたことがあると思います。
新しい鳥をお迎えする時に、すぐには先住鳥と一緒にせず
少し様子を見る一般家庭でできる検疫の事です。
今回、書かせていただいた内容はTSUBASAでしていることですが
一般家庭でできることもあったと思います。
先住鳥と新しい鳥を早く対面させてあげたい気持ちはよくわかりますが、
ほんの少しの期間でいいので新しい鳥を観察する期間をぜひ皆様にも設けていただければと思います。

現在のセキセイ達の検疫は、数が多く見て回るのもとても大変ですが
検疫の必要性をこれまで感じてきたからこそ大変でも大事な作業だと思っています。

偉そうに書いてしまいましたが、実は私もまだまだ勉強中です・・
(実のところ調べていたら、知らない事や勘違いがいっぱいありました・・恥)
セキセイの検疫を機会に、このブログで書きながらさりげなく私も再確認しています。