ツバメがどんな虫を食べているかの調査 | ツバメブログ
2014年07月03日(木) 09時58分59秒

ツバメがどんな虫を食べているかの調査

テーマ:ツバメ雑学
ツバメはどんな虫を食べているのでしょうか? ツバメは口の中に小さな虫を入れたまま巣にやって来て、それをヒナの口に押し込むので、外から見ていても虫の種類を知ることはできません。ツバメがどんな虫を食べているかは、わずかな観察情報から想像するほかなかったのですが、千曲川の鼠橋(緯度, 経度=36.42650, 138.18856)という場所で親ツバメがヒナに運んでいる虫を調べた調査の報告書が見つかったので、内容をご紹介します。

河川生態学研究会 千曲川研究グループ. 2001. 千曲川の総合研究-鼠橋地区を中心として-. リバーフロント整備センター. 東京.

この報告書の「3.4.1(2) 水生昆虫と鳥類(中村浩志・吉田利男・所洋一)」に、ツバメ、ハクセキレイ、キセキレイの親がヒナに運ぶ餌を調査した結果が乗っています。

調査時期: 2000年の繁殖期

調査方法: 羽毛がほぼ生えそろった育雛中期から後期のヒナの首に針金を巻き、呼吸はできるが餌は飲み込めない状態にすることで、親から給餌された餌が口の中に溜まったものを採取する頸輪法と呼ばれる方法によって餌の採集を行った。

調査対象: ハクセキレイは2巣から17回、キセキレイは2巣から8回、ツバメは2巣から5回、餌の採集を行った。1回当たりの採集時間(調査者が餌を回収する間隔)はほぼ2時間で、朝、昼、夕方など様々な時間帯に行った。

巣の場所: 報告書には文章の記述がなく略図が載っているだけですが、それから推定して、いずれも千曲川から約200m以内と思われます。

採食場所: いずれの種も河原で主に採食し、河原の外の集落やその付近で営巣していた。

ツバメ


キセキレイ


ハクセキレイ


この結果を見ると、この場所のツバメは、川から発生するカゲロウとトビケラを餌の大半にしていることが分かります。なお、報告書には調査した月が書いていないので、同じ場所でも時期による餌の違いはあるかもしれません。地面を歩き回っているキセキレイとハクセキレイも、クモ目の数が多いこと以外は、ツバメと同じカゲロウ目、トビケラ目、ハエ目といった飛翔性昆虫をたくさん食べているんですね。

カゲロウやトビケラについては、図鑑のホームページがあったので、リンクをご紹介しておきます

千曲川の鼠橋周辺に生息する水生昆虫は、同じ報告書の「3.2.1(2) 水生昆虫の現存量とハビタット」によると、1997/3/6の調査で、水中にはカゲロウとトビケラの幼虫が多いことが分かっています。餌の調査と同じ傾向ですね。その他に川から発生する飛翔性昆虫として知られるものでは、ツバメの餌調査で1個体だけ採集されたカワゲラの幼虫は見つかっておらず、ユスリカの幼虫は少数でした。

カゲロウやトビケラは河川に広く見られる水生昆虫で、ツバメの巣が川沿いに多く見つかることからも、他の場所でもツバメにとって重要な餌であることが想像できます。一方、川から離れた市街地などでは、ツバメはどんな虫を餌にしているのか、ぜひ知りたいところです。

私が小中学生だった昭和50年代のころ、夏の夜になると、網戸にやたらと虫が付いていたものですが、いまでは網戸にほとんど虫が付かなくなりました。ツバメが餌にしている虫も、以前に比べると相当減っているのではないかと思います。


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