ツバメと鳥インフルエンザ | ツバメブログ
2014年04月15日(火) 11時17分42秒

ツバメと鳥インフルエンザ

テーマ:質問とお答え
熊本県の山間部で4月11日に鳥インフルエンザが発生しました。ツバメと鳥インフルエンザについての質問をいただいていますので、ご説明しておこうと思います。

結論から書きますが、ツバメが鳥インフルエンザに感染している可能性は、ほとんどありません。

以下に、その理由を説明します。

やや残酷なのですが、野鳥にわざと鳥インフルエンザ・ウイルスを感染させた実験の結果が、環境省のホームページに掲載されています。この資料の93ページによると、ツバメ19羽に感染実験を行ったところ、9羽が死亡し、10羽は発症したが死亡せず、不顕性感染(感染するが発症しない)はないという結果でした。(経過観察は5日間です)【4/16訂正:引用の原典によると、10羽のツバメに鼻腔内接種したところ、3日目までにすべて死亡ということです。実験室では"致死率100%"ということで、以下の議論に書いたような"感染しつつも巣にたどり着く"という可能性は低くなりますが、捕獲ストレスのない野生状態では強い抵抗力を発揮して生きのびる個体もあるかもしれませんので、文章はそのままにしておきます。

https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/bird_flu/manual/pref_0809/6_chpt4.pdf

もし野鳥が海を越えてインフルエンザ・ウイルスを長距離運ぶとすれば、感染しても元気にしている「不顕性感染」体質の鳥が媒介する可能性が高いでしょう。カモ類にはそうした体質の種が多くいますが、小鳥類では実験対象が少ないこともあり、上記資料で不顕性感染があったのは、ホシムクドリ(日本にいない)、ハト(ドバトのこと? 渡をしませんが)、それとシロハラでした。渡り鳥ではありませんが、ツバメと並んで身近な鳥の代表であるスズメは、18羽に感染させてすべてが死亡していますから、ウイルスは運べません。

野生のツバメが感染するとしたら、鳥インフルエンザが起きている養鶏場でハエなどを食べてウイルスを受けとることがあるかもしれません。しかし感染したツバメはインフルエンザを発症して死亡するか、死なないまでも症状が出て元気が無くなり、完治しないうちは長距離を渡ることはできないと思われます。(完治すれば体内からウイルスは消えてしまい、他に感染させることはありません。)

さらに、繁殖期のツバメはカモ類のように水面や地上で群れを作りませんので、他のツバメや野鳥の糞などを通してウイルスをうつされることは、大変に希だと言えるでしょう。つまり、運悪く鶏糞が付いた虫を食べたツバメ以外は感染することがないため、ウイルスを持つ可能性があるツバメの数自体が非常に少ないと考えられます。

以上のことから、鳥インフルエンザ・ウイルスに感染した状態のツバメが日本に渡ってくることは、ほとんどないと結論できます。

では日本に渡ってきてから、養鶏場でウイルスに感染する場合はどうでしょうか? オスの場合は巣場所やメスを巡って激しく争いますから、インフルエンザの症状が出ている場合は、巣を確保することはできないでしょう。

メスの場合は、もしかしたら体調が悪くても巣に来ているかもしれません。そこは、何とも分かりません。でもエサを取れなければ、死んでしまうわけですが。

いずれにしても、日本の養鶏場で鳥インフルエンザが流行していない現状において、ツバメにウイルスが感染することは考えにくいと思います。

なお今回、鳥インフルエンザが発生した熊本県多良木町は山間部にあり、カモ類が利用しそうな池がありません。球磨川がありますが、上流なので流れが速く、カモの利用には適さない場所です。さらに、4月上旬という時期は、すでにほとんどのカモが北へ渡ったあとなので、カモがウイルスを運んだ可能性は低いように思われます。

※コメントにあるように、ツバメ友Wさんが引用元の原典を調べてくれました。

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