1沖縄旅行に行ったときは何ともなかった。

ずっと雨で海は大荒れだったけど、レンタカーを運転して“添乗員みやおう”は無事に任務を終えた。

 

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3母と叔母と温泉旅行に行った。

台風が接近し有名な滝を見に行くことはできなかった。

「あなたと旅行に行くと雨が降るわね。あなた雨女ね」と天候を私のせいにした母。

私は笑って済ませた。だって接待旅行なんだもの。“添乗員みやおう”なんだもの。

 

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3それから一年後今度は北海道旅行に誘われた。

(父が他界しているので隠居旅行は私が誘われた。)

 

旅費は全部母親持ち、私の小さかった頃の罪滅ぼしのつもりか?と思い、受けて立つことにした。罪を滅ぼしてもらおうじゃないか。

同時に私は年老いた母の面倒をみること。旅行のお世話をすることも責務だと思っていた。

だけど、純粋に旅行を楽しみたかった、初めての知床旅行7日間の旅。

母と楽しい旅行ができると思っていた。

 

北海道旅行は小さな転機だったと思う。

 

夕食は戸畑焼。テーブルの対面には60代か?少し若く見える夫婦がすわり、乾杯し和やかに食事はスタートした。

対面の夫婦に写真撮影を頼まれた。それをきっかけに母はこう話しかけた。

 

「ご夫婦で旅行なんて素敵ですね」

 

対面夫婦は「ご主人はお仕事ですか?お留守番ですか?」みたいなことを聞かれた母はこう言った。

 

「亡くなったんです・・・・」と楽しい宴会の席で悲しい悲劇のヒロインになって見せた。

うつむいてその姿はすっかり喪主である。

 

ちょっと待て~~~~~いちょっとマテ

 

対面夫婦は「お嬢さんと旅行なんて幸せじゃないですか」といって慰めてくれた。

空いた口がふさがらないとはこの事。もう怒り心頭、どん引き!

「阿保かお前?こういう楽しい場面をぶっこわしやがって、相手の気持ちを考えろよ!お前はマジで{妖怪わたしがかわいそう}だな!!!!お前は離婚しただろう?離婚した相手のヒロインになるのかよ」

言ってやりたかったよ。言えなかった。だって楽しい旅行をするのが私の目標だったから。

 

本当はお父さんと一緒に旅行がしたかったんだな。

私とではなく、お父さんと。

 

4それから一年後今度は屋久島旅行に誘われた。

誘うときは悲しい誘い方をする。常套手段だ。断ると親不孝という罪悪感を乗せて。

一緒に行って楽しい旅行にしましょうという誘い方はしない。わかるかな?

行ってくれないかな・・・・お願いよと涙を流さんばかりのか弱い声で誘うのだ。

北海道旅行の一件があってから心の中のパンドラの箱のカギが壊れているのに気が付いている。母に触られるとゾッとし始めたのはこのころからである。

でも断れなかった。屋久島は魅力的だ。今回も旅費は母親持ちである。

 

事件はまた宴会場で起きた。

 

例の未亡人事件である。

{妖怪わたしはかわいそう}へ告ぐ、犯人はお前だ。

旦那を病気で亡くした悲劇のヒロインは終始悲しい顔をしていた。

ヒロインは宴会の会話ができない人だ。

私は、ヒロインとツアー客のおじ様たちとの会話の懸け橋となり、宴会を盛り上げていた。

母の代弁者として、病気の事などを何故か私が説明をしていた。

あほらしい汗

 

おじさま達と会話ができないのなら未亡人気取りはやめなはれ!!!!

 

もううんざりだ汗

 

何を働いているのだわたしは。

 

 

そんなに父と旅行をしたかったなら、さっさと行けばよかったじゃん。

勝手に老後は夫婦で旅行って計画を立てて、その計画が果たせなかったといって私を利用しないで。

 

私と旅行に行って楽しいですか?

 

5母は私の地雷を踏む。

 

バスの車中でも事件多発なのである。

 

一番踏んではならない地雷を、私の顔を見るたびに言うのである。(旅行の時だけではなく普通の里帰りの時も)

 

 

「あちらのお母さんのホームにちゃんと顔を出しているの?」

 

 

アドラー的に言えば、「課題の分離」をしてくれない、私たち夫婦の領域に土足で踏み込んでくるおせっかいな説教である。

 

私は何回も会うたびに説明をしている。

あなたには関係ない事だと。あなたが心配することではないと。

 

余計なおせっかいよムキーハッハッハッ

 

これを言うのに精いっぱいだった。

言えないよ喧嘩できないよ。旅はまた続く。明日も屋久島旅行は続くのだから・・。

 

どうして母は私が機嫌悪くなることを言うのだろう?

大概の人は母心とかいうのだろう?心配してくれているとそう諭すのだろう?

 

いや、違うよ。自分が母親として失格の烙印を押されたくないからだよ。

自分の保身だよ。嫁として立派に育てられなかった母親になりたくないだけ。

それか、その程度しか話題がないのだよ私たち親子には。

 

私と旅行に行って楽しいですか?

どうやら、私には母を喜ばせることができないようです。

あなたの期待には応えられません。

 

だって私は私。父の代わりなどできないのですから。

 

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