杏林予防医学研究所の山田先生からのメッセージです。



戦後最大の大惨事となった今回の地震は、

原発の放射線問題によってその色合いがより強まりました。

放射線は、死に直結する人の健康に大きな影響をもたらすものだからです。

放射線は超強力な電磁波で、細胞のDNAを切断してしまいます。

DNA切断により細胞に異常や損傷が発生すると、病気が起こります。

放射線だけでなく、様々な薬物、精神的なストレスもDNA切断します。
ただDNAが切断されても、すぐに病気になるわけではありません。

体にはDNAを修復する 仕組みがあるからです。
ダメージが軽度であればDNAがきちんと修復され、傷んだ細胞は排除されます。

ところがダメージが大きいと、この修復が間に合わず、細胞が突然変異を起こす、

細胞死が導かれるなどで組織が悪化します。

これが「ガン」など色々な病気につながっていくのです。
繰り返しになりますが、細胞の異常、損傷や機能低下こそが 


病気を生み出す根本原因です。



細胞環境を きちんと整えることで健康は維持されます。
放射線は、DNAにダメージを与えるものの中で最上位といっても良いでしょう。

福島原発で作業される方々が特別な服で作業される事、

その作業時間が限られるのはこのためです。

放射線を浴びると、体内では急激に体のサビを作る「活性酸素」が発生し、

これがDNAを切断します。
放射線は、この活性酸素を一気に多く生み出してします。
福島原発付近の放射線量は人体にとって多い量ですが、現在、関東地域全域も

普段より 放射線量が増えていることはご存知の通りです。


こうした人体に悪影響を与える放射性物質に対応するものは色々あり、

よく知られているものにヨー化カリウムがあります。

多くの人が ヨー化カリウムを取ると、放射性被爆の全ての被害から

回避出来ると 誤解していますが、ヨー化カリウムは放射性ヨードによる

甲状腺の障害を防ぐという効果しかなく、他の臓器や組織に与える障害は

防げない事と、腎不全の場合病気が悪化したり、妊婦は胎児の甲状腺機能障害を

もたらすなど、いくつかの副作用の報告もあり一般人に適さない問題があります。


安全で、あらゆる放射性物質に対応出来ると期待されているのが

「含硫アミノ酸」(硫黄を含んだアミノ酸)です。含硫アミノ酸のシスチン、システインは


放射線による DNA切断の修復能力が高いと 分かっております。


また 同じ含硫アミノ酸のタウリンは 放射線に対して、抗酸化をはじめ

組織修復に様々な形で関わっているのではないかと考えられています。
アミノ酸は 細胞を作る蛋白質の原料になるだけでなく、本来人間の体や

細胞にあってはいけない重金属を、体外に排泄促進する為に必要な成分です。
よく知られている水銀や鉛カドミウムなどの重金属を排泄する為だけでなく、

セシウムや ストロンチウム放射性ヨウ素なども同じ重金属です。

こうした排泄能力だけでなく、肝臓や膵臓脳などの酸化を防ぐ働きもあります。



昨日は、牛乳やほうれん草にも基準値を超える放射性物質が含まれていると

報道されました。
原発放射線問題が一日も早く解消されることを、世界が望んでいます。

しかし原因が核であるという性格上、この問題は長期化しそうです。



                              杏林予防医学研究所 山田豊文