【電波障害】結成30年のテレビ共聴施設（共同アンテナ）組合の解散のお手伝いをしています。

東京スカイツリーへの移転と2011年の地デジ化で、関東地方のテレビ受信環境は劇的に改善され、アナログ時代に「ザラザラ」だった画面も「二重にダブって」いた画面も、この世から根絶されDVDみたいな画像でテレビが見える時代がやってきました。

テレビ電波障害の施設の中でも、「難視聴」（地域的にテレビが見えづらい）地域に設置されていたテレビ共聴施設は、共同アンテナの維持管理も近隣加入者で組合組織を作って行っていることから、ご近所同士でテレビ受信環境を守ってきた「隣り組」的な結束があります。

しかしながら、結成後20年、30年と経過いたしますと、世代交代なども発生し、なかなか継続して維持管理を続けていくのはたいへんという事実があります。

今回、弊社が解散のお手伝いをさせていただいている地域は、埼玉県春日部市。

春日部市は、東京スカイツリーになり、受信状況が改善した地域ではありますが、念のため、弊社で「受信可否調査」を行い、関東広域局と埼玉局がアンテナ受信できることを確認しています。しかも、春日部市からはロケーション的にスカイツリー（東京都墨田区）とテレビ埼玉の浦和送信所（埼玉県さいたま市桜区）の角度差が小さいため、1本のアンテナで両方の送信所をとらえられることも確認済みです。

テレビ共聴施設（共同アンテナ）組合の解散方法とは？

組合組織ですので組合員の多数決で決定できることかと存じますが、会長さんや組合長さんの強いリーダーシップが必要であると毎回感じます。

今回の場合、組合で貯蓄していた組合費が「各戸への個別アンテナ工事費用」と「最終的な施設撤去費用」の合計金額よりも上回っていたため、満場一致で「テレビ共聴施設組合の解散」となったようです。

弊社は専門業者なのでいろいろな組合のケースを聞いておりますが、円満解散パターンは全施設の70％ぐらいではないかと感じます。残りの30％は引っ越しなどの様々な事情で組合結成当時の世話役がいなくなってしまい、少数の利用者はいても当時のことを知っている管理者がいないというケースが多いようです。

話しがずれてしまいましたが、いくら組合員の多数決とは言っても、共聴施設加入時よりもランニングコストの負担が.大きい方法に移行するのは難しいので、

１．まずは弊社のような専門業者が、電波測定車などを使用して、テレビ共聴施設が無くなってもアンテナで受信できるかどうかを調査します。

２．アンテナ受信ができるとなれば、大急ぎで個別のアンテナ工事を実施します。もちろん中にはケーブルテレビやフレッツテレビへの加入を希望される方もいらっしゃるので、事前にリクエストをまとめておきます。

ちなみに、約20棟の内、ケーブルテレビが2棟、フレッツテレビが2棟、アンテナ工事が17棟で、その17棟の内の3棟が、4段ダイポール平面アンテナの東京アンテナ零号※を選択していただきました。

※東京アンテナ零号は、前方方向の指向性がワイドなアンテナなので、今回のようにスカイツリーと浦和局に若干角度のあるような地域でも1本のアンテナで2送信所をとらえやすいと思い、提案させていただいた結果です。ご提案を聞き入れていただき、東京アンテナ零号を取り付けていただいたお客様に厚く御礼を申し上げます。ありがとうございました。