僕は妻をなくしてから子育てで困ることが多々ありました(今も困っていますが…)。息子から見れば、ばあちゃんは二人いるので両方に相談することが常でした。
妻がいなくなってからしばらくは、なんとなく妻は僕の胸の中にいました。もちろん幻覚や幻聴の話ではありませんが、困ったことがあると妻ならどうするかなと考えていました。
妻が入院中、僕は妻に息子のことを相談したり、僕自身のことを相談したりしていましたので、妻ならこう考えるだろうし、こう言うだろうということがだいたい分かっていましたので、どこか鮮明に胸の中に妻がいるような感じがしていました。
そういう感覚を僕は自分で「妻に相談する」という感じで思っていました。
妻に相談すると、いつもうまく収まる考え方や方法が出てくるので、僕はそのことを尊敬していました。
僕も、いっしょにいる間に妻の考え方のいくつかが身に付いていたのか、目を閉じるて妻にいて相談していました。しばらく瞼に浮かび上がる鮮明な妻といっしょに、いろいろな息子の問題を解決してきました。そんな感じでした。
僕が一人でがんばってきたことはたくさんありますが、妻の面影に救われてきたのは事実です。だから、僕の子育ては心の中の妻といっしょにやってきたと思っています。
じいちゃん、ばあちゃん以外のたくさんの人の協力も得てきましたけどね。それも、妻からの縁だったので、それも妻のおかげです。
今は、記憶も薄くなってきて悲しみが減った分、忘れることは生きていく上で大切ですが、大事な人のことまで遠くなるのはさみしいですね。
でも忘れることありませんがね。