昨日は池袋西口の3か所で一日中ア・カペライベントがあるようだったので、自分の夜の音楽レッスン前に少しだけ見ようと思って早めに出発しました。
3か所で一日中イベントをやれるだけの出演バンド数の多さに先ずは驚きました。
現代ではハモネプなどの影響から当たり前なのでしょうが、自分がア・カペラを始めた頃は極々少数の同好の士しかおらず、ア・カペライベントなども勿論皆無でしたから。
やる人の裾野が広がったのは勿論素晴らしいことですが、ア・カペラ特有の難しさみたいなものは当時からあまり変わっていないのだな、とも思いました。
楽器の演奏と違い、ア・カペラはほんの少しのことですぐに調分裂が起きます。
そこまで行かずとも、リードの音程の癖(主に発声に起因する)に合わせてキーが上下してしまったりも起きやすいですね。
この辺りはmidiで音取りをする人が増えた現在でもやはりあまり変わっていない感じです。
リズム隊が全体を上手く包み込めず独立して進んでしまう、もやはりよく起こっている現象ですね。
その辺りがほんの少し改善されるだけで、安定した魅力あるア・カペラグループにみんななっていくんじゃないかなと思いました。
昨日は審査員などではない通りすがりの観客として聴いたのですが、やはりその辺りをつい考えてしまいました。
PAを使うとはいえ、基本的に「生身」の人間が楽器という道具を介さずに直接演奏するという極めてプリミティブな性質を持ちつつ、洗練しようと思えばどこまでも洗練できる音楽であるア・カペラ。
素朴さを打ち出す場合にもここだけは押さえておきたい、というのはやはりありますね。
ワークショップやバンドクリニックなどで、そんなコツを伝えて行ければと思います。