ピッチカラー(クローマ)はある音の高さ(ピッチ)が持つ色彩感、雰囲気のことです。
非常に主観的な感覚なので、他の人と必ずしも共通するとは限りません。
特に、音(の高さ)から視覚的な色彩が連想される場合、個人差は大きいです。
オクターブ違いの音はたいてい同じピッチカラーを感じることと思います。
高くなれば細く、薄く、明るく感じ、低いオクターブにいけば太く、重く感じるけれど「同じ」雰囲気は残っています。
ピッチ(音名)が違うのにピッチカラー(雰囲気)が似ている音、というのもあります。
Perfect Pitch Eartraining Supercourseを作ったデイヴィッド・ルーカス・バージは、ピッチカラーの識別が出来るようになった15歳ごろ、E♭とA♭を時々間違えたそうです。
どちらもメロー(mellow)な音、として感じたようです。
この共通感は同意する人も比較的多い気がします。
彼の場合、最初にわかるようになった音はF♯だったそうです。
トゥワンギーtwangy(ビヨーンと響く)な感じがしたそうです。
ピッチカラーでピッチを感じるにはどうするか、ですが、バージの教材にも出てくるように(鍵盤楽器でやるなら)半音階12音の一個一個の音をロングトーンでじっくり聴くことだと思います。
単音一個一個の響きをリラックスして聴いてみる。
集中しようとすると意識が前のめりになってしまうので、少し引いたところから音を聴くために「ミカン集中法」をやるのもいいかもしれません。
後頭部の後ろ斜め上あたりにミカンが浮いているのを想像する、それだけです。
フォトリーディングの導入に出てくるイメージ練習ですが、リラックスと集中を両立させ、意識が体の前面に寄ってしまうのを防いでくれることと思います。
勿論、鍵盤の間の音にもグラデーションとしてピッチカラーはあります。
ただ、12個の識別がつけば、間の音もだんだんわかります。
ピッチカラーを感じにくい時はオクターブを同時に鳴らすのも手だと思います。
実際に手で鍵盤を鳴らすなら、左右オクターブずつで4オクターブの同じ音名の音を鳴らせます。
それを聴くと、その音名の音の雰囲気がかなり掴めることと思います。
ピッチカラーを感じること、は音楽的文法には入ってこない領域ですが、感じられることで聴くことも演奏もより豊かになることと思います。
よかったらリラックス集中で試してみてください。
近いうちにこのテーマでのワークも考えています。