認知症テストから読む家族と本人の関わり方のアドバイス | トレーニングスペースアローのブログ

トレーニングスペースアローのブログ

成城•祖師谷・経堂エリアの理学療法士のみで行っている、パーソナル×加圧トレーニング・コアコンディショニングの施設です。

「それで伝わらなかったのか…」
 
「結果を聞いてちょっとショックでした」
 
 
 
 
 
認知症テストとして代表的な
長谷川式簡易知的評価スケール(HDS-R)》
 
 
この検査は老年精神医学を専門とする
長谷川和夫先生(詳しくはWikipediaで)により作成された
言語性知能検査であり、
9項目からなる質問に対し回答してもらいますひらめき電球
 
30点中何点なのかで
認知症の重症度を評価していますひらめき電球
 
 
 
 
リハビリの業界では馴染みのあるシートですが
一旦訪問に出てしまうと使っていないセラピストも多いのではないでしょうかあせる
 
 
 
 
一回の検査は約10〜15分なので簡易的に
認知機能面の評価をする事が出来るツールですビックリマーク
 
 
 
訪問先には脳梗塞後遺症を既往に持つ方もいるので
身体機能面だけでなく
脳内の活動力も下がっている方を
担当する事もしばしばあります走る人
 
 
 
 
 
そんな時によく出くわす場面として
 
 
「さっき言ったのに何で出来ないのかしら」ムキー
 
 
とか、
 
 
 
「◯分後に来るからちょっと待っててね、と言ってもすぐナースコールを押されて振り回されている」真顔 DASH!
 
 
なんて言葉を聞く事がありますあせるあせる
 
 
 
(実は意外と多いのも現実…)
 
 
 
 
あの人は認知症だから…
 
 
 
なんて言葉でかたされてしまっている現状を
私は心苦しく思っていました滝汗
 
 
 
そんなクライアント様を中心にスタッフor家族に対して
私がしている関わり方の一部を2例ご紹介しますビックリマーク
 
 
 
 
一人は老健に住む60歳後半の女性
 
既往には脳梗塞、てんかん、乳がんなどありますが、
コミュニケーションはとれますグッド!
 
 
普段は世間話も出来るし、
笑顔も出る素敵な女性です照れ
 
 
しかし、一旦私が見えないところでは
 
スタッフが待っててくれと伝えても
ナースコールはすぐ押す。
帰りたいや被害妄想も凄い。
 
そんな状態との事でしたあせる
 
 
 
そこで長谷川式を実施。
 
 
 
30点中6点
 
 
 
点数だけを見るとひどい認知症だな。。と
思うかもしれませんが、
 
内容を見ると、
 
会話の中で年齢や言葉の復唱は問題なく行えましたひらめき電球
 
 
 
しかし、日付などの時間に関する見当識や
数字の計算や作業記憶、短期記憶や想起は全くダメ
 
 
検査の途中では
飽きてしまい、ヒントを出してもイライラ。
態度も一変するなど、脱抑制様も見られました滝汗
 
 
 
検査を終え、
スタッフにお伝えしたのは
 
 
復唱が出来ているので、
一見わかっているようなそぶりをしているが、
 
 
数字の計算や作業記憶、
見当識などを障害されている彼女にとって
 
「◯分後に来るからちょっと待っててね」と
 
時間を指定してその場所に待機させる事は
Badな対応方法かと思いました
 
 
ここがどこなのか認識し辛い場所に
いつ来るかわからない時間を指定されているのですから
彼女にとっては不安で不安で堪らず、
ナースコールを頻繁に押していたのではないかあせる
 
 
 
「それで伝わらなかったのか…」
 
 
 
 
スタッフが近くで書き物等をしてていいので
人が近くにいて、外が見えるような状態で
安心出来ないかなど提案させて頂きました。
 
 
 
 
次は自宅に住む80代前半の男性
 
脳梗塞後遺症と右頚部骨折が既往にありますひらめき電球
 
 
元々、あまりしゃべらないと奥様からは情報は
ありましたが、運動拒否もなければ
指示に対してすぐ行動しているので
奥様は認知症なんてない!と
言い切っていました汗
 
 
 
ご本人は歩行器で歩かれるので
動作はゆっくりです走る人
 
 
奥様が「足を上げて」と伝えても
3,4回は出来てもその後は元に戻ってしまい、
なかなか思ったように動いてくれない。。
 
 
そんなイライラした状態では
二人の仲も微妙になってしまうと思い、
長谷川式の評価をしましたひらめき電球
 
 
30点中10点
 
 
 
評価中の態度は穏やかで
わからない事に対しても
「わからないな〜」と苦笑い汗汗
 
 
 
結果は、
 
 
場所に関する見当識や
単語の復唱、数字の計算は
ゆっくりでしたが出来ていましたビックリマーク
 
 
 
しかし、日付などの時間に関する見当識や
短期記憶、視覚的記銘、前頭葉機能をみる想起などは
全く出来ませんでしたあせる
 
 
 
これを踏まえて
 
「足を上げて」という言葉を聞いて
一瞬繰り返す事が出来ても継続出来ないのは
短期記憶や思い出すなどの行動に障害を持っているからではないか
 
と、声かけさせて頂きました。
 
 
これは本人のせいではなく
病態として捉え、根気よく対応していきましょうひらめき電球
 
 
とも、声かけさせて頂きました。
 
 
 
奥様は毎日新聞を見せていたから日付は大丈夫だと思っていたのに…
 
 
「結果を聞いてちょっとショックでした」
 
 
 
では、新聞も日付に丸をつけて注意を向けてあげたり、
歩行中も足が上がらなくなったらその都度声をかけるなど
出来る事をアドバイスさせて頂き、
 
 
病態と上手く付き合い、
本人を責めないであげてほしいとお願いをしてきましたひらめき電球
 
 
 
 
外見から脳を見る事は出来ないので
脳梗塞の後遺症がどれ程影響しているのかは
家族またはスタッフにこちらが少しでも伝えてあげなければ
わからない事も多々あると思いますビックリマーク
 
 
言っても出来ない人ではなく、
こう伝えれば出来る人に変えてあげる事が
 
 
身体機能面だけを見ているだけでは気づき難い事かと思いますひらめき電球
 
 
 
 
今回は、HDS−Rを使った
生活のアドバイスの2例でしたウインク
 
 
前回もブログに書きましたが
家族、施設スタッフも自分たちが何か出来ないか
って常に考えて行動されていますラブラブ
 
でも、その良かれと思って行った行動を
意図が伝わらずご本人が裏切るのでイライラしたり、
カーっとなってしまう場面が多いのではないでしょうか!?
 
 
介護は本当に大変ですあせる
 
 
何もなくても体が疲れていれば気持ちもイライラするでしょうびっくり
 
 
でも、何を障害されているのかを理解し、
その方にあった対応をしていく事で
その周りの方達とご本人の間で良い関わり方が
この先も出来ると私は信じていますビックリマーク
 
 
デレデレ応援しています!ファイトです!!
 
 
理学療法士トレーナー
北村
 
 
 
 

トレーニング、セミナーのご依頼も受付中ビックリマーク

トレーニングスペースアローでは介護施設や企業様向けの身体に関するセミナーやトレーニングセッションなども行います。社員の健康は会社の健康へ繋がります。定期的に会社に運動を導入したい、セミナーイベントを行いたい、などご検討中の方、是非一度アローにご相談ください。

 

 

スタジオ ホームページ

http://ts-arrow.com/

 

 

訪問 ホームページ

http://rh-arrow.com/