悔しい。こういう試合でいいプレーをさせてあげられなかったのは監督の責任。負けてしまったのはすべて監督の責任だ。
星稜の奥川投手には想像を上回るピッチングをされた。チャンスらしいチャンスを作れなかった。奥川投手はバントすらさせないという気迫に満ちており、バントをするのも難しかった。
奥川投手は気迫、球威、投球術すべてが素晴らしかった。バッターとの対戦を楽しんでいるようにも見えた。勝負どころで150キロを連発され、こちらの想像を超えてきた。「最後まで投げ切るんだ」という気迫にも脱帽だ。
奥川投手の投げる気持ちの入ったストレートは狙ってもなかなか打てない。(元楽天イーグルスの同僚で、現ニューヨーク・ヤンキースの)田中将大投手のようになるのではないかと思わされた。それほどの投手だ。
星稜の林監督
勝利した実感がない。まだ試合が続いているような感覚。うちについている野球の神様が、こういうドラマを作ってくれたのかな。
奥川はベストピッチングだった。集中してしっかりコーナーをついていた。ほとんど失投がなかった。智弁和歌山打線は終盤に強いので、「しっかりプランを立てて前半は抑えていくように」と助言していたが序盤から飛ばしていた。彼の能力をいかんなく発揮した。末恐ろしい。こんな選手には一生めぐり合わないだろう。連打を打たれることもなく、ドクターストップがかかるまで、奥川でいくしかないと思っていた。
攻めが後手後手に回って、なかなか点を取れなかった。奥川はベンチで、「七回までしかもたないから早く点を取ってくれ」と笑いながら言っていた。ベンチはずっと明るい雰囲気だった。どこかで一本出てほしいと思っていた。終盤勝負だと思っていた。
高岡商|000|101|002| = 4
履正社|003|202|20x| = 9
【投手】
高岡商:荒井(6)、松代
履正社:清水(6)、岩崎
【本塁打】
履正社:井上(6回②)
智弁|000|001|000|000|00| = 1
星稜|000|100|000|000|03| = 4
※延長13回からタイブレーク(無死1・2塁)
【投手】
智弁:小林(3.2)、矢田(1.1)、池田
星稜:奥川
【本塁打】
星稜:福本(14回③)
敦賀気比|003|000|000| = 3
仙台育英|000|022|00x| = 4
【投手】
敦賀気比:笠島(6)、黒田(1)、松村
仙台育英:鈴木(3)、大栄(5.1)、笹倉
鶴岡東|012|003|000|00| = 6
関東一|040|000|200|01| = 7
【投手】
鶴岡東:影山(6.1)、池田
関東一:谷(6)、土屋
【本塁打】
鶴岡東:竹花(3回②)
明石商(兵庫) - 八戸学院光星(青森)
中京学院大中京(岐阜) - 作新学院(栃木)
星稜(石川) - 仙台育英(宮城)
履正社(大阪) - 関東一(東東京)
※準決勝(8/20)
未定 - 未定
未定 - 未定
※決勝(8/22)
未定 - 未定
0点に抑えたかった
みんなに「踏ん張れ。俺たちが決める」と言われてうれしかった。絶対に勝とうと思っていた。
智弁和歌山は力のある打者がそろっているので、低め低めに投げた。今日は80点。終盤何とか粘れたと思うが失点が悔やまれる。0点に抑えたかった。あきらめそうなところがあったが投げ切れたのが去年からの成長。
(魔曲と言われる智弁和歌山の)「ジョックロック」に、数々のチームがのまれているのを知っていた。「みんなで曲を楽しもう」と昨日のミーティングで話し合って決めていた。しっかり実行できたかなと思う。
足をつったとき、相手の黒川主将が漢方のようなもの(熱中症対策の塩分補給剤)をくれた。智弁和歌山の強さはそういうところにあるんだなと感じた。最後に黒川主将と握手したときに「日本一になってくれ」と言われ、こみあげてくるものがあった。今日の勝ちが無駄にならないよう、明日に向けて準備したい。