true heart

恋愛小説。


テーマ:

新宿駅の改札を抜けてホームに向かう途中の人混みに、

仲良さそうなカップルを見つけた。

手をつないで、笑いあって…、幸せそうな二人。
私と同じ歳くらいにみえる。


そんな幸せそうな人をみて、無償にイライラしてしまう性格は未だに直らない。

上京したてのときは、親しげなカップルを見るたび、自分とてっちゃんを重ねた。
仁科のメールを読んでからは、

「なんで私は好きな人と一緒にじゃないんだろう」

という行き場のない思いをぐるぐるさせた。


「はぁ…」
東京の空気と混ざるようにためいきをつく。


軽く酔いの残る頭でぼぉっと電光掲示板をみてから、

ちょうど来ていた急行電車に飛び乗った。

ギュウギュウの車内でドアにもたれかかり、

気持ち悪そうにしているサラリーマンが目に入った。


近くに立つ人たちの「オメー吐くなよ」って目線がイタイ。
それに気づかないサラリーマンのオヤジも…、なんかイタかった。


--


新宿から急行で20分、神奈川よりの小さな町に私の住むアパートはある。
満員電車から吐き出され、私は改札をくぐりアパートがある方の南口へと出た。

目の前に広がった景色はとても幻想的で、パラパラと降る雪を街灯が照らしていた。
それは、私が東京で見たはじめての雪だった。


ロマンチックな気分もつかの間、同じ電車から降りたらしい

サラリーマンが駅前の自販機前で苦しそうに吐いていた。
ロマンチックな雰囲気、一気にぶち壊し…。


忘年会シーズンだからきっと飲みすぎだよ、オッサン。

声にならない声でそっとつぶやいてみる。
ちょうど父親と同じ歳くらいのサラリーマンにみえた。


バッグからハンカチを出して、自販機でペットボトルの水を買った。

サラリーマンに近づき、「どうぞ」と言う。

そんな「いい子ちゃん」の自分の姿だけを想像して、

「ゲェゲェ」という声を背に雪の中私はアパートへと帰っていった。


家に着く直前で、ポケットに入っていた携帯電話のバイブが鳴った。


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ユリちゃ~ん。今日はお疲れデシタ(>_<)!
次会うのって、きっと来年(笑)?
確か、一発目のシフト一緒だった気がするから、

またよろしくね~(^o^)/


明日から、実家だっけ??
二日酔いで新幹線で具合悪くなるなよー(笑)


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麻里さんからのメールだった。
返事を手早く打って、時計を見るともう0時をまわっていた。


明日の今頃、私は実家にいる。
そう、てっちゃんとの思い出がつまった、あの街に…。


つづく…

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