trt316のブログ -5ページ目

trt316のブログ

ブログの説明を入力します。

体験的ガバナンス論 —健全なガバナンスが組織を強くする― | 宮内 義彦, 八田 進二, 堀篭 俊材 |本 | 通販 | Amazon

ガバナンスはなかなか難しい。形式的な機関設計などは有報などから入手出来るが、実際どのように運用されているかは外部からは伺い知ることは出来ないからだ。取締役会の空気感はどうなのか、社長が一喝すると誰も物申さなくなるのか、監査役や社外取締役はしっかり意見を述べているかなどは外部からは知りえない。ここは本当に各社各様だろう。また、多くの会社を経験出来る人も少なく、皆さん自分の会社のやり方が正しいと思い込んでいる人も多い。

 

そのガバナンスの実態に迫るという意味でこの本はなかなか良かった。

ガバナンスについての解説本というと、制度の解説をした本が多く、どちらかというとお上からの一方的な解説みたいな本が多いのだが、この本は制度に対して実践時の課題などを体験を基に述べられているので、現状の問題点などが非常にわかりやすく語られている。

また、対談形式であるので、非常に読みやすく、あるべきガバナンスを理解した人が日本だけでなく諸外国の社外取締役の経験を踏まえて語っているので非常に説得力がある。

 

以下が私の気づきである。

・日本のガバナンスに関する会社法の機関に関する制度は理論的なあるべき姿から導かれたものではなく、日本独特の監査役制度をどう存続させるかなど、いろんなしがらみの中でつぎはぎのような形で導入されているので、趣旨や意義が理解されぬままに運用がされていっている。

・社外取締役は答えを教えるのではなく、経営者の力を引き出すコーチのような役割をすべき。

・説明責任を果たすということは客観的なエビデンスを積み上げるということだが、例えば新規事業への進出などは十分なエビデンスが無い場合が多い。そういうときにリスクばかり強調して断念するのは残念なことで、結局何もしないことが一番になってしまう。リスクを取るところはリスクを取っていかないと日本社会の活力は生まれない。

 

結局、ガバナンスの目的は組織が目標に向かうまでの舵取りであり、リスクの極小化や法令遵守というのはそれに付随して出てくる話であり、重要な話であるものの、それ自体がガバナンスの目的ではないということかな。

 

社外取締役を迎える側、社外取締役になる側、双方にまだまだ理解・認識不足があると感じた。