バルセロナを発つ日。

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2006年3月31日。

2週間たっぷり羽を休めたバルセロナの街を、ようやく発つ日がきた。

夜行列車で、ニースへ出る。地中海に沿って北上し、フランスを抜けてイタリアへ向かうのだ電車


バルセロナ最後のランチは、地元客で賑わうカタルーニャ料理の店でブーケ2

留学時代からの友人とふたり、窓から降りそそぐまぶしいくらいの午後の日差しを浴びながら、ゆっくりと食べる。

ぷりぷりとしたメルルーサの白身も、濃厚な緑色をした野菜のパテも、すごくおいしい。


バルセロナで知り合ってから3年がたつ。

その間に、帰国して就職し、その仕事をやめて、旅に出てここにいるわたし。

その間に、何のコネもとっかかりもなかったところから、じりじりと前進し、夢に近づき始めた友人。

やりたいことすら見つからず毎日を退屈しながら生きる人シラー、夢の実現の仕方がわからず悶々と生きる人むっ

世の中には、毎日を生きるために、生きたい毎日を諦める人がいっぱいいる。

でもときどき、こうやってしずかに、でもガムシャラに、理想と現実をぎりりとひとまとめに、すこしでも近づけようともがく人がいる。

そういう人の眼の奥は、プラチナ色の光を湛えて、とてもかっこいい、と私は思う。


「何でもできるよ」と静かに励ましてくれる彼の言葉は、いつも心に響く。

グラスに注がれた水が西日を反射してキラキラして、木の窓枠とカーテンと、その向こうの石畳の道が目に焼きついた。


人の多さと太陽のまぶしさに辟易しつつ、普段は歩かないランブラス通りを、海まで下る。

コロンブスが海のかなたを指差して、堂々と空に立っている。なんだか縁起がいい気がするよい天気だった。

風に吹かれて。