先日、健診エコーで副腎に腫瘤がある30歳代後半の男性が、受診しました。
この方は、本当にガリガリに痩せていました。
副腎腫瘤自体は、そこまで大きくなく
癌の可能性は、今のところ高くないと思われます。
ただ、副腎腫瘤は、稀に、ホルモンを自動的につくり、高血圧や糖尿病などを起こすため
要注意なんです。
そんな事もあり、御本人に聞いてみました。
血圧は高いですか?
すると、最近高くなってきましたと
お答えになります。
健診結果をよく見ると、
昨年までは、血圧は低めです。
それが、今年になり、急に170/100
です。
血液検査でチェックすると
アルドステロンというホルモンが
勝手に上昇です。
原発性アルドステロン症という病気でした。
このように
若い、痩せている
急激な血圧上昇
こんなキーワードに入る高血圧は
要注意です。
一般のメタボや加齢からくる高血圧は、
本態性高血圧といいます。これに対応するくすりは多数あり、医師に任せておけば大体大丈夫です。
一方で、今回の原発性アルドステロン症のように、ホルモンを産生するなど、特殊な原因によるものを、二次性高血圧といいます。
こっちは、厄介です。
まず、血圧のクスリを開始した後に
診断することが、やりにくくなります。
ホルモンの測定に血圧のクスリが影響を及ぼすので。
一般の血圧のクスリが効かないため
クスリが積み上がるので、時期が経てば経つほどよけい難しくなります。
ですので、クスリ開始前に、診断するのが
いいと思われます。
また、放置すると、脳出血などを起こすリスクが、本態性高血圧より高いのです。
何しろ、患者さんには
二次性高血圧を知って頂き、可能性ありそうなら
医師に積極的に検査してもらった方がいいです。
ぜひ皆さん、覚えておいてください。