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【トラピックス】2016年オランダ・ベルギー芸術紀行6日間(2/13~2/18)
今回は、オランダ・ベルギーの美術館巡りをご紹介します。
たまたま、「オランダにある数々の名画を鑑賞する」ツアーを見つけ、年休消化を兼ねオランダ・ベルギーに行きました。ヨーロッパの2月は寒いですが、旅行代も底値になるし、美術館巡りなら寒さの問題もほぼ無いです。航空会社はもちろんKLM、機内食にはHeineken。
ベルギー ブリュッセル
先ず立ち寄ったのは、ベルギーの首都ブリュッセル。EU本部があることで有名な街です。実は、私が訪れた1ケ月後にブリュッセル連続爆破テロが発生。前年4月に行ったパリでも半年後にパリ同時多発テロと、当時はイスラム国のテロリスクを抱えながらの旅でした。
ブリュッセルには世界で最も美しい広場の一つと言われる広場「グランプラス」があります。この広場を取り囲む建物は、ギルド(中世ヨーロッパで発達した独占的・排他的な商工業者の同業者組合)により建造されたものです。今でも、それぞれのギルドを象徴する紋章が屋根や壁に刻まれています。
また、ここグランプラスには、ゴディバ(親会社はトルコですが)、ノイハウス、ピエール・マルコリーニといった有名な王室御用達や、様々なチョコレート・ショップが軒を連ねています。大阪堂島地下街にあるレオニダスは、この界隈で何店も見かけました。高級チョコの価格は日本の1/3程度。帰ったらバレンタインデーとして配るということで、妻が爆買い。因みに、ベルギー在住の添乗員は「チョコレートは生鮮食品、鮮度が大事」。そう言われ店で食べると美味しい気がしたけど、気のせいかも…
ブリュージュ
次に向かったのは、ブリュージュ。市街を縦横に走る運河に囲まれた水の古都です。中世の街並みが色濃く残るブリュージュ歴史地区は2000年に世界遺産に登録されております。13~4世紀に交易都市として繁栄したそうで、赤煉瓦の家々を見ると、まるで中世にタイムスリップした錯覚を覚えます。この日は冬の小雨まじりにもかかわらず、多くの観光客で賑わっていました。
途中、聖母教会に立ち寄りました。ここにはミケランジェロ作の「ブルッヘの聖母子像(写真4枚目の祭壇中央の彫刻)」が安置されています。この作品はミケランジェロが生涯唯一イタリア国外で制作した作品だそうです。
ベルギーは食事が美味しい国です。過去、戦乱を逃れるため隣国フランスから料理人達が流入してきたことで、現在の美食文化が築かれたそうです。余談ですが、オランダは隣国ドイツの食文化の影響を受けているそうで、食事はイマイチ。
ベルギーはまたビールも美味しい。ベルギー各地には、日本の地酒よろしく、地元醸造家たちが造る様々なタイプのビールがあります。アルコール度数、酸味、苦み、香りが異なるフレーバーのビールが数百種類もあるそうで、自分好みの一杯を探すのも一興です。とにかくおいしいので試すことをお勧めします。一方で、シェア世界1ビールメーカーもベルギーに本社があるアンハイザー・ブッシュ・インベブ社です、驚き
アントワープ
ここから絵画鑑賞のスタート。最初に鑑賞した絵画は、アントワープのノートルダム大聖堂にあるルーベンスが描いた祭壇画「キリストの昇架」「キリストの降架」。特に「キリストの降架」は、ベラスケスの「ラス・メニーナス(プラド美術館)」、エルグレコの「オルガス伯の埋葬(サント・トメ教会)」と並び、ヨーロッパ3大巨大絵の一つに数えられているそうです。
この「キリストの降架」は、名作「フランダースの犬」の中で主人公ネロが一度見てみたいと願った絵です。最終話で、この絵の前でネロとパトラッシュが共に力尽き、舞い降りてきた天使たち天国に連れて行かれるシーン、有名ですね。それを記念してか、教会前にはマンホールの様な大きな鉄のモニュメントが地面に埋め込まれていました。
3年前、パリのノートルダム大聖堂が火災にあった際、一瞬「祭壇画は無事か」と勘違いしました。ノートルダム大聖堂という名前は聖母マリアに捧げられて付いた名前で、世界各地にあるようです。
オランダへの帰途の途中、キンデルダイクの風車群(世界遺産)に立ち寄りました。川沿いに何基も立ち並んだ姿が絵になります。もともとは粉挽き用の動力として使われていましたが、干拓の排水装置として活用されるようになったそうです。その日はほとんどの風車は動いておらず、川下にある排水施設の揚水ポンプで川水を汲み上げていました。
ハーグ
翌日、ハーグのマウリッツハイス美術館に向かいました。ここ、マウリッツハイス美術館にはフェルメールの「真珠の耳飾りの少女」や「デルフト眺望」、レンブラントの「テュルプ博士の解剖学講義」等の有名な絵画が所蔵されています。それほど大きな美術館ではありませんが、開館前の優先入場だったので、誰にも邪魔されずに十二分に鑑賞できました。
次に向かったのは、オッテルローにあるクレラーミューラー美術館。この美術館にはゴッホ・ギャラリーが設けられており、20点ほどのゴッホ作品が展示されていました。
吉永小百合のシャープCMに使われた「夜のカフェテラス」、ゴッホ最高傑作のひとつ「アルルの跳ね橋」、向日葵シリーズの「4本のひまわり」、糸杉シリーズの「糸杉と星野見える道」など、ゴッホファン憧れの作品に向かい合うことができます。
最期に訪れたの、アムステルダム国立美術館。17世紀オランダ絵画が充実している美術館です。こちらにはレンブラントの「夜警」、フェルメールの「牛乳を注ぐ女」「青衣の女」「恋文」など、鼻が触れそうな距離で見ることができます。ホール奥にドーンと飾ってある「夜警」の前で、小学校低学年くらいの子供達が20人ほど座り込んだり寝ころんだりしながら、先生の話を聞きスケッチしていました。日本の国立美術館でそんな社会科見学をやろうものなら、警備員につまみ出されますね。
その後、アムステルダム市内観光。東京駅のモデルになったアムステルダム中央駅を見たり運河クルーズを楽しんだりして、帰途に就きました。
関空の出国手続きでは麻薬探知犬にスーツケースを嗅がれました。オランダは大麻の入手が容易だからです。