別府の鉄輪温泉に一泊、大分市内に一泊という週末旅行をした。いつものように早朝に家を出て、ANAで現地入り。トヨタレンタカーを借りた。

 レンタカーのカウンターで言われた。降雪のため、ゆふいん(駅の標高は450m)へは行けない、と。日本は、10年に一度という極寒に襲われた日本列島!! 九州の大分県にまで雪をもたらしたのであった。

 

 とりあえず予定どおり、国道10号線を走り、先ずは宇佐八幡宮へ。この神社のことは、奈良時代の道鏡事件について調べていた時に知った。ともあれ、全国に44000社あるという八幡宮の総本山なのだ。天気予報どおり、昼からは晴れた。名物のねぎ焼きを食べるつもりであったが、参道のお店はほぼ閉まっており、夜のお食べ地獄に備え、軽い昼食にする。

 鉄輪温泉に向かう。雪などどこにもない。血の池地獄の近くに、八幡竈門神社があるというので行ってみた。鬼がつくったという99段の石段を覚悟したのだが、車で登る道と駐車場があった。鬼滅愛が炸裂した絵馬がたくさん掛かっていた。

 

 

 2時すぎに別府の鉄輪(かんなわ)温泉の宿に着くも、チェックインは3時以降と言われ、地獄の池が点在する温泉街を散歩。前に地獄めぐりは済ませているので、今回は「海地獄」だけを訪れたが、冬だったので、大きな鬼蓮はなかった。

 ホテルに入り、温泉へ。今回予約した宿は、湯快リゾート ホテル風月 と言う。日帰り温泉が隣接しており、そちらを無料で利用でする。夕食と朝食は、オープンキッチンで作りたての料理をビュッフェ形式で供す。さほど期待していなかったが、食材は良く、満足感は高かった。魚介が好みのつもりであったが、鶏料理は、ハーブ焼きなど、どれもすばらしくおいしかった。直径10センチ近くもある肉厚しいたけを卓上コンロで焼いて食べたり、野菜 やサザエやエビやタコを蒸したり。地獄蒸しの熱々プリンも、自家製チョコもとてもおいしかった。朝食もライブキッチン!!

 2日目は予定では高千穂に行く予定であった。ブラタモリでも取り上げられていたので、いく気まんまんであったが、しかし、降雪のために道路状況があまりよくないとのことで、断念。とりあえず、鉄輪温泉の展望台へ。ナビに出てこないので、道にいたご婦人に尋ねたら、乗り込んできて案内してくれた。毎日市営の温泉に徒歩で通っているそうだ。送ろうと申し上げたら、ウォーキングが日課だからと断られた。たぶん75歳くらい。展望台は小さく、市街地にあった。湯けむりもくもく。

 それから別府の b-conプラザを見にいく。建築の神様とも言うべき磯崎新が手がけた総合文化センターである。馬蹄型の劇場、ふんだんに使われたカッラーラの大理石など、いかにも巨匠の作品だ。先日まで鬼滅の刃展をやっていたようだ。オットは、今回の旅は、磯崎新の追悼祈念旅なのだ、と言っている。

 

 それから、雪のなさそうな佐伯(さいき)という所に向かう。毛利高政の城下町だという。あら、毛利ってあの毛利と何か関係があるのかしらと思ったら、豊臣秀吉の家臣で、前回聞き知った毛利勝永と同様、毛利輝元から姓をもらって森から毛利になった人なのね。

 佐伯の城下町はそれなりに風情があった。お城はもう石垣しか残っていない。その近くに「さいき城下 桜ホール」という建築を見つけた。タダモノではないぞとオットは下車して撮影に夢中になっていた。あとで調べたら2022年のグッドデザイン賞を受けた建築で、久米設計が手がけたことがわかった。

 城下町の観光交流館で休憩した時に買ったお茶(因尾茶)のボトルに大きな水車がついていた。聞いたら、日本一の水車だというので、本匠まで30分ほどドライブして見に行った。豊後の地にはキリシタンの名残がいっぱい。帰途、アルメイダ病院があった。イエズス会士アルメイダは大友宗麟のもとで、豊後に病院を建てたことを思い出した。

 

 5時頃に大分のホテル(レンブラント)へ。車を置いて、坂茂のつくった OpAm (大分県立美術館)を見にいく。オットは暗くなるまで何十カットも写真を撮っていた。たしかにすばらしい建築物である。最上階の天井は、坂さんがコンペで勝ち取った仕事、ポンピドゥーセンター・メスを思い出させた。

 

 夕食は、セントポルタ中央町というアーケードにある居酒屋(おとなの大漁旗)を目指していた。だが、期待したほどのことはなかった。まあ、生ガキ、タコ料理などはおいしかったが、味付けはどれも塩分強めで、「おとなの」とは言えなかった。大分の市心には辰野金吾の建築もある。

 翌日は、OpAmにもう一度行き、写真を撮ってから、プリツカー賞を受けた磯崎さんが1966年につくった旧大分県立大分図書館が近年アートプラザになった建築を見に行った。廊下橋のあるお城の跡地の隣にあり、磯崎新の常設展覧会をやっている。

 ▽概観できるブログ

 

 この日はさらに、由布院駅舎に行き、磯崎さんと坂さんの建築を見る予定であったが、雪がぜんぜん消えていないようなので断念!!  しかたないので、別府の竹瓦温泉にでも行こうかと思ったが、タオルも石鹸も蛇口もないようなので、それはファサードを見るだけにして、亀の井ホテルの日帰り温泉に浸かることにする。こちらはバスタオルとタオル代、駐車料金こみでひとり500円。お湯質もすばらしかった。

 午後は、大分空港へ行く途中の城下町、杵築を訪れてみた。大分の小京都と自称しており、この寒いのに、着物を着て散歩する観光客がちらほらいた。お城もあるが、入らなかった。お昼は、大分に来てから三度目の団子汁(だごじる)とおにぎり。3時頃までいてから空港に向かい、レンタカーを返して、ラウンジで読書して過ごした。

 

 次はもう少し暖かい季節に来ることにしよう。