レース中に深部体温を下げるには脇や首ではなく手のひらを冷やそう! | プロトライアスロンコーチ樋口のトビウオブログ

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福岡の久留米で初心者から上級者まで指導するプロトライアスロンコーチ、樋口玲士のブログです。

暑い。

 

最近は外に出るたびにこの言葉を四六時中発しているような気がします。

 

この時期になると熱中症で倒れた、暑さでパフォーマンスが落ちたなど色々見たり聞いたりします。

 

皆さんどのような対策をしているでしょうか?

 

 

基本的に熱中症対策というのは、深部体温をいかに上げないかがカギになります。

 

水分補給をこまめに、塩分を摂取する、首や脇、大腿の付け根を冷やす、睡眠をしっかり取る、栄養をしっかり摂る

 

などが一般的でしょうか。

 

 

それでもやぱり熱中症にかかる人はかかりますよね。

 

暑さに身体を対応させていく、暑熱馴化トレーニングなども必要になってきます。

 

暑熱馴化の記事はこちら

https://ameblo.jp/tri-tobiuo/entry-12293143909.html

 

トライアスロンレースは特に長時間のスポーツなので、夏場の熱中症対策は必須です。

 

ここからはスポーツ愛好者はもちろん、運動や部活の指導者、学校の先生も知っておいてほしいことです。

 

 

【冷やすのは首や脇ではなく手のひら】

 

 

先程も書きましたように深部体温を下げないと熱中症のリスクは高くなります。

 

スポーツのパフォーマンス向上の一つとしての話ですが、

 

本格的に運動を始める前、または運動中、休憩中は手のひらや足の裏を冷やすのがオススメです。

 

以下は高温下でのトレッドミルの実験です。

 

 

男性67名に高温下でのトレッドミルを30〜45分。

 

手のひらを冷やすグループと冷やさないグループに分かれての実験です。

 

手のひらを冷やしたグループは深部体温が低く保たれ、トレッドミルの後にベンチプレスもさせたところ、

 

こちらの運動量も多くなったという結果となりました。

 

世界トップレベルの様々な競技団体では運動前や運動中に手のひら冷却を取り入れているところはたくさんあります。

 

サッカーではプロサッカークラブ、ドイツのドルトムントや、

 

手のひら冷却により大リーグの投手の制球が良くなった事例もたくさんあります。

 

持久力、パワーの出力、技術の向上まで期待できます。

 

 

 

手のひら、足の裏などの末端部分はラジエーターのような役割があるので、ここで冷やされた血液が体の中心に戻り、

 

深部体温を下げてくれます。

 

冬で、手先や足先が冷えるとすごく寒いでしょ?

 

逆に手先、足先が温かいと身体の中心も温かくなります。

 

じゃあ大きな血管が通っている首や脇、足の付け根はどうなの?ということになりますが、

 

実は近年、熱中症で倒れた人に対しての応急処置としてはほとんど意味がないんじゃないかという話になりつつあります。

 

こちらは1分間でどれだけ深部体温が下がるかを比較した結果です。

 

熱中症ドットコムより

https://nettyuusyo.com/ice-bags-on-major-arteries/

 

 

1分に0.05度も下げられていません。熱中症になってしまったらいかに早く体温(38度台に)を下げるかです。

 

もし部活動で熱中症で倒れてしまい、一刻を争う状況では涼しいところでワキや首をちょっと冷やそうなんてやってると

 

命取りになりかねないので、氷と冷たい水を体全部にぶっかけながら救急車を呼ぶ!くらいの方が適切なのかもしれません。

 

サッカーや野球などの屋外スポーツは、アイスバスの準備が不可欠な時代になってきたのかと思います。

 

海外のマラソンや、バイクのロードレースでは救護所にアイスバスがずらっと並んでいたりします。

 

 

 

じゃあなぜ首や脇じゃダメなのか。

 

脳や心臓に近い部分(首やわき)が冷やされると、「体が冷えてきた!体温をあげなくては!」と脳が判断し、

 

深部体温が下がらないように全身に働きかけるのではないかと推察されています。

 

深部体温を保たないと人間は死ぬのでといけないので、防衛反応みたいなものでしょう。

 

ただ運動中のパフォーマンス向上が目的の場合は、脳に気づかれないように深部体温を下げる必要がありますから、

 

手のひらの方が効率が良いのかもしれません。

 

実際に手のひらや足の裏、頬(ほほ)の部分を冷却した方が良いという実験データもあります。

 

 

こういった事例から、運動中や応急処置には手のひらや足の裏も冷却するという方法もこれから確立していくのかもしれませんね。

 

 

 

レース中に水を身体にかけるのも大事なので、トライアスロンを考えるとトライスーツウェアの速乾力も大事になってきます。

 

早く乾くということは、水や身体から出た汗が気化する時に熱を奪っていくということです。

 

なので、速乾力が世界トップクラスと定評のあるZ3R0DのoSUITを着て、エイドでもらう水を頭に被りながら(脳を冷やすのも大事)

 

なおかつ手のひらを水で冷やしつつ走る事でパフォーマンスを維持。

 

先日もアクアスロンに出場してきましたが、過酷な暑さの中でランのパフォーマンスをトレーニング通り(むしろトレーニングより出てた)出すことができて、男子の部で優勝することができました(招待選手の高濱さんにはあっさりランで抜かれましたが)。

 

水を含ませたスポンジなどをもらえる大会ならば、すぐ捨てずに手のひらに握っていた方がいいかもしれません。

 

レース前に冷えたものを握っておくのもいいかも。

 

 

自転車のロードレースの世界では、レース前の選手達はアイスベストを来たりしています。

 

 

サッカー選手も

 

 

他にも、大塚製薬から深部体温を下げるというコンセプトの「アイススラリー」が発売されましたね。

 

4時間凍らせてから飲む、というものですが、レース前にかき氷食えよ!みたいな感じでしょうか。笑

 

実際に30分前に摂取したところ、暑熱環境下で持久パフォーマンスが維持できたという報告があります。

 

 

 

 

湿度70%以上の環境下は汗が気化しない無効発汗環境となり、熱が体内に溜まりやすくなります。

 

なおかつ身体は体温を下げようと汗が出まくる。でも下がらない。

 

よって熱中症や、脱水症状になりやすい状態になりますから、

 

今年の熱中症対策として、頭に入れておくと役立ちますよー!