浄土まで澄める帰燕の空なりけり

「方円」2022年12月号円象集掲載。

「燕帰る」は秋の季語。燕は春に南から渡ってきて、子育てを終えた9月頃に南へ帰っていく。そんな燕を見送る気持ちを感じさせる季語として使われている。すっかり秋らしくなり、いつの間にか燕の姿を見なくなった空。秋らしい高く澄んだ空が広がる。燕が帰った後の空を眺めていると、ふと亡くなった両親の事を思い出す。この空の向こうの極楽浄土と呼ばれる所にいるのだろうか。そんなことを感じさせるような、遥か彼方まで澄んだ空に感銘を受けて詠んだ句。

この句を詠んだのは、2022年秋。母が亡くなり、私だけ取り残されてから、1年が過ぎた頃だった。この時期辺りから暫く、「浄土」「空の向こう」を詠んだ句が増えている。一人暮らしにもだいぶ慣れていたが、散歩中、ふと寂しさを感じることがある。幸い私には俳句、吹奏楽という趣味があり、それを通した人との繋がりが多い。天涯孤独ではないはずだが、独りになる瞬間はやはり寂しさが残る。以前は一人になれば、誰に遠慮することもなく、気楽に過ごせると思っていた。そういう面もあるが、寂しい時はやはり寂しい。亡母は生前「人間、最終的には一人」と言っていたが、生きている限りは人との繋がりを大切にしていきたい。

(絵はAIによる創作です)

 

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