風死すや人の命の軽きこと
「方円」2016年10月号円象集掲載。
「風死す」とは盛夏の凪の状態。息苦しさを感じる程の暑さの中、風もない状態をこう呼ぶ。人はなぜこうも簡単に死ぬのだろう。そんな疑問を抱いた夏の暑い盛り。これ以上ないストレートな言い方で表現した。「風死す」という季語がぴったり当てはまった句。
何故こんな句を詠んだのか。2016年の夏にあった出来事を調べてみると、相模原の障碍者施設で19人が殺害された事件に辿り着いた。恥ずかしながら、この句を詠んだ背景は全く覚えていないが、恐らくこの痛ましい事件を知って詠んだと思われる。この句を詠んでから8年。未だ世界各地で軽い人の命が散っている。今日たまたまテレビで見た長岡の花火大会で紹介していた、山下清の言葉が胸に刺さった。
「みんなが爆弾なんかつくらないできれいな花火ばかりつくっていたらきっと戦争なんて起きなかったんだな」
これが綺麗事と言われない世の中であっれ欲しい。
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