やまびこの今朝は応へず冴返る
「方円」2022年4月号特別作品「穏やかなれ」15句のうちの1句。
「特別作品を書いてほしい。4月号に載せたいので2月締切で」と方円代表より連絡があったのが、2022年1月中頃。そこで急遽出かけたのが奈良・香芝市近辺。最初に訪れたのが、亡父も訪れた事のある屯鶴峯(どんづるぼう)だった。ここは千数百万年前、二上山の火山活動によって火砕流や火山灰などが堆積し、その後の地殻変動によって隆起。浸食を繰り返したことにより白い岩肌がむき出しになった奇岩で、「奈良のカッパドキア」とも呼ばれている。朝早く家を出て、着いたのが10時前。家族連れなど数組が既に訪れていた。子どもは岩の高いところに登り、「ヤッホー」と叫んでいた。しかし、反応はない。当の子どもは何も気にせずヤッホーを繰り返す。時期は2月初旬のまだ寒い時期。子どものヤッホーが、寒空に虚しく消える様子を切り取って詠んだ句。
仕事上、「〇〇に行ってきます」「〇〇して来ます」と相手に言っても返事をしてくれない事が多くなった。原因はいくつかあるが、まずは私の言い方、伝え方の問題だろう。もっと人にわかりやすく、的確に伝わるような言い方が出来ないものか。しかし、何故か話の本筋に余計な枝葉を付けてしまう。結果返ってこないやまびこのように、一方通行で終わってしまう。最近ADHD、ASDと診断を受けたが、それだけが原因ではないだろう。物事を話す前に、まずメモ書きして、要点を整理してから物事を伝えるという、目に見えた努力をしなければ、ヤッホーは一生返ってこない。
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