廃屋の梁の太さや十三夜

 

「方円」2014年12月号清象集掲載。

旧暦9月13~14日は十三夜。旧暦8月15日の十五夜とともに名月を拝める日で、十三夜と十五夜、どちらかだけ月見をする事を「片見月」と呼び、災いのもとになると忌み嫌われていた。それだけ重要な日。そんな日に、旅先のどこかで目にした廃屋。家主が去ってから相当経っているのか、屋根や壁が崩れていた。しかし立派な佇まいで、梁はそんな状態でも空と空気を支えていた。もしかしたら廃屋を見たのは昼間で、十三夜の名月をここに嵌めたのは想像かもしれない。ここに満月が出たら、廃屋と言えども絵になるんだろうか。そんな想像のもとに詠んだ句。

ドラえもんのひみつ道具の中に「ロボッター」というものがある。それを付けた物はロボットと化し、命令通りに動くというもの。部屋の片づけが面倒なのび太が、部屋中に散らかったあらゆる物にそれを付けて、「さっさと片付け」と命令すると、あっという間に部屋は綺麗になる。味を占めたのび太は雑巾がけをさせたり、自分の座った椅子を王様のように運ばせたりとやりたい放題。調子に乗り出すと、道具は怒って反発するようになる。そして最終的にラジオが発した抗議の言葉がこれ。

「人間は勝手だ!我々をこき使って、気に入らなければ棄ててしまう!」

これにはドキッとさせられた。おっしゃる通り。道具は大切にしなければならない。

ただ、家の場合は、それぞれのご家庭のやんごとなき事情が絡み、どうしても放置しなければならない場合がある。それからその家を継ぐ者がいなければ、こんな風に廃屋になる。しかし、荒れてはいても、かつては家主さんに大切にされていて、自分も全力で支えたんだという自負のようなものが、この太い梁に見えた気がする。その誇りを大切に、土に還してあげたい。

 

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