東京ダービー、羽田盃のJpn1化により考えられる変化まとめ | 競馬“血統”人生/平出貴昭

競馬“血統”人生/平出貴昭

サラブレッド血統センターの平出貴昭が競馬(主に血統)について語ります

思いついたことをまとめてみました。
ズレている考え方もあるかもしれませんがご了承ください。
「日本のダート馬のレベルアップ」という前向きなテーマからの変革かと思いますが、こういう変革は全ての人がハッピーになるとは限らないので、それは仕方のないことだと思います。

◆JRA・競馬界全体サイドからの視点
・JRAメインの馬主が南関東でデビューさせる馬が増える
→南関東の馬質が上がる&JRAのダート馬の質が下がる
・それでも、大きな目標が増えたことにより日本全体のダート馬のレベルが上がる

◆地方競馬サイドからの視点
・南関東の騎手と調教師や関係者のモチベーションが低下する
・南関東を中心に馬を預けていた馬主と馬が他の競馬場に流れる
・兵庫や高知に馬が流れると思われ、それらの競馬場の馬質が上がる
・結果的に地方競馬全体の馬のレベルは上がる
・大井競馬の売り上げは爆上がりし、地方競馬場間の格差が広がる
・当然、地方競馬全体の売り上げも大きく増える
・他の南関東競馬場関係者の不満が増える
・的場さんの東京ダービー制覇の可能性が低くなると思われるが、JRA所属の有力馬に乗せるオーナーが現れることも考えられる

◆生産界サイドからの視点
・ダート種牡馬の需要が上がり、同タイプの種牡馬が増える。主にゴールドアリュール系、Storm Cat系、A.P. Indy系などと思われる
・上記に伴い、ダートの一流馬の引退が早まる
・トップクラスではない芝タイプの種牡馬の需要が下がる
・エスポワールシチー、ホッコータルマエ、パイロらの人気が大きく上がりそう。
・ハッピースプリントあたりの種付け頭数も増えたらいいなあ
・ハイランドピークやカイルあたりも種牡馬入りしそう
・トーセンブライトがまだ元気なら種牡馬復帰してもいいのになと思う

◆レース体系からの視点と課題
・羽田盃、東京ダービーを避けて南関東限定レースを選択する南関東所属馬が増え、出走馬の質にバラツキが出ることが考えられる
・UAEダービーに出走する馬が減る
・ケンタッキーダービーなど米三冠に出走する馬が減る
・米クラシック制覇の快挙の可能性は限りなく下がる
・ユニコーンSの存在意義が薄れるので日程変更などの検討が必要
・秋に移動するジャパンダートダービーは東京ダービーと同条件なので、他の競馬場で異なる距離で行うのが好ましい
・ダービーグランプリの存在意義が薄れるが、地方所属馬限定のダービーとして、逆に権威を上げることも可能かもしれない
・羽田盃などで賞金を獲得した馬が日本ダービーに出走し、JRA重賞勝ち馬でも除外になるなどの事態が発生し、馬主関係者が炎上する
・牝馬ダート三冠戦線はこのままでいいのかという問題が発生する