クライミングシューズを分解してみた 〜インスティンクトS〜 | 登山教室Serow(セロー)のガイド日記

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2016年11月にインスティンクト(レース)を分解したブログをアップしましたが、今回はつま先に穴が空いてしまったスリッパタイプのインスティンクトSを分解してみました。

 

使われているパーツは合計で18個です。とりあえず頑張って分解。

 

 

<各パーツの説明>

1〜5:足を包み込むマイクロスエードレザーの各パーツ

6:トゥラバー 7:踵のプルタブ 8:踵のスリングショット 9:ヒールラバー 10:つま先のランドラバー 11:足の甲を抑えるゴム 12:biテンションシステムのラバー 13:シャンク 14:ソール 15:イタリアの国旗のロゴ

 

 

インスティンクト(レース)とインスティンクトSでは大部分のパーツは共通の形をしています。

ストックを境目に以前分解したインスティンクト(レース)は左。今回分解したインスティンクトSは右。ちなみにインスティンクト(レース)の踵のプルタブも2つあったのですが、1つはどこかに紛失してしまいました。

 

 

クライミングシューズの肝、シャンクとBi-テンションシステムのラバーも全く同じです。

 

 

「Bi-テンションシステム」の説明。「インスティンクト」と名前が付いたモデルには共通のシステムです。

 

 

こちらはインスティンクト(レース)とインスティンクトSで異なるパーツの一覧。それぞれのシューズで大きく異なるのは足入れの部分の構造だけです。

 

 

よく考えられているなぁと感じたのはこのパーツ。足の甲を抑えてシューズのフィット感を上げるゴムのパーツですが、一見すると1つのパーツに見えますが・・・

 

 

1つのパーツだと思っていたら、実は2つのパーツで構成されていました。

 

これはゴムの引っ張られる方向が左右真横ではなく、赤い矢印で示したように左右で少し上方向に引っ張られるような力がかかる為ではないかと推測。このパーツを1つのゴムで作ってしまうとフィット感が悪くなるので、あえて2つのパーツで構成していると思われます。これは分解しなければ絶対に分からなかったことです。こうしてみると手の込んだ作りに改めて感心させられます。

 

ちなみに2016年11月にアップしたインスティンクト(レース)を分解したブログは未だに1日に何人もの人が訪れているようです。みんなクライミングシューズの構造は気になるのでしょうか?また壊れて使えなくなったシューズがあったら分解してみます。