支援や介護を必要とする方々に日常生活圏の中で介護、医療等のサービスを包括的に提供する「地域包括ケアシステム」の構築が横浜市においても最重要課題の一つです。

 

 しかし介護のように24時間年中無休の体制をそれぞれの地域が有する資源で維持していくのは簡単なことではありません。また、入所施設等を地域にどんどん建てていくというのも都市部では物理的、経済的に困難が伴います。

 

 私はこうした状況の解決策として「地域力シェア」という考え方を提唱しています。たとえば生きていく上で最も大切な食事については、毎日3食が普通であり、病院も施設も食事提供を休むことはありません。ならば、こうした食事を多めに作り、周辺地域で必要としている方に配食する仕組みとすれば、在宅でも家族に頼ることなく毎日3食をきちんと摂ることが可能です。

 

 また、事情により在宅が難しいケースでは地域の住宅でサービスを受けて暮らすことができれば、次善の対応ができます。さらに、配食や介護のタイミングに合わせて地域での買い物や宅配を組み合わせれば(専門用語でミルクランと言います)、より効率的になります。

 

 私たちの住む地域には医療、介護以外にも企業や商店街、子育て、教育、障害支援などの様々なサービス資源があります。これらの力をそれぞれの得意分野でシェアすることができれば、地域経済の活性化と包括ケアの両立が可能ではないかと考え、モデル事業の実施を企図しています。