軸の箱書き | 東洋額装の社長ブログ

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表具屋の社長ブログです。会社のことを中心に日々思っていることを書いています。


作品を軸に仕立てた時、



桐箱に入れるか、紙の箱に入れるかに分かれます。



 



どなたかに差し上げる場合やきちんと残しておきたい時は



基本的に桐箱をお薦めします。



 



その時、桐箱に作品名や誰が書いた作品かを書き記します。



それを一般的に「箱書き」と言っています。



 



ただ、どう書けば良いのか?という質問がたまにあります。



先日、ちょうど箱書きをされている先生の所に伺ったので



写真を撮らせてもらいました。



 



何かの時の参考になればと思います。



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箱の表書き



運根鈍書幅



(運根鈍は作品名で書幅は書の作品で軸ですという意味です)



 



箱の裏書き



平成二十年春 蘆水自簽(ろすいじせん)



(書いた年月や季節、誰が書いたか)



自簽(じせん)は自分が書きましたという意味



また、誰の持ち物であるかを書くこともあります。



 



では、その桐箱に書くコツ



①桐箱のふたを両面乾いたタオルで拭きます。



  桐箱には「とのこ」が塗ってあるので墨をはじき、書きにくいためです。



②墨は濃いめのものが良いです。



  薄いと桐の木目が見えてしまい字がぼけてしまいます。



  たっぷりと墨を使うと乾きにくかったりしますのでご注意。



③書く順番は裏から書き、そのあと表書きが良いです。



  表を先に書くと墨が乾くまで裏面が書けません。裏面はへこんでいますから



  すぐひっくり返しても良いので時間の短縮になります。



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     ↓



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④もし、失敗しても桐箱は削ることができます。



  桐箱を購入されたお店や、表具屋さんに頼めば大丈夫でしょう。



桐箱はかみ合わせがあります。



  ふたをした時、ズレがあれば反対にすれば綺麗に閉まります。



 



以上、簡単に説明しましたが



箱書きがしてあるだけで



立派に見えてしまうのは私だけでしょうか?



 



今回、写真の協力をしてくださいました栗原蘆水先生



ありがとうございました。



 



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胡蝶蘭がたくさん咲き始めました。