語順のルーツは日本語風 ―大昔、言語の語順は… | 渡辺豊

渡辺豊

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 大昔、言語の語順は日本語風だった―そんな分析結果をノーベル物理学賞を受賞した米国のマレー・ゲルマン博士らが米科学アカデミー紀要に発表した。主語(S)・述語(V)・目的語(O)の語順を持つ英語などが世界で幅をきかせているが、実はSOVの語順がより古く、基本的といえるという。

 最近の研究によると、5万年ほど前に私たちの祖先は突然、洗練された道具を使ったり、絵画など芸術活動をしたりするようになった。そのころ人類は、複雑な言語を使い始め、抽象的な思考ができるようになったからではないかと考えられている。

 そうした「最初の言語」がどんな語順を持っていたのかを推定するため、ゲルマン博士らは世界2135の言語について、生物学で使われている系統樹の手法なども応用して、さまざまな語順を詳細に検討した。

 その結果、単一の言語の祖先が存在するとすると、それは日本語と同じSOVの語順を持っているはずだと結論づけた。また英語や中国語と同じSVOの語順は、SOVの語順が変化してできたもので、さらにVSOやVOSの語順にも変化していったとした。

 1969年にノーベル賞を受賞したゲルマン博士は、物質を作る最も基本的な粒子であるクォークを提唱したことで知られるが、言語学にも詳しい。  (小坪遊)



   (2012年2月9日 朝日新聞)


マレー・ゲルマン博士