岐伯はこたえて言いました。

 

「それは、顔を見るのです。

 

肝の熱の病は、まず、左の頬が赤くなります。

心の熱の病は、まず、おでこが赤くなります。

脾の熱の病は、まず、鼻が赤くなります。

肺の熱の病は、まず、右の頬が赤くなります。

腎の熱の病は、まず、あご先が赤くなります。

 

 

まだ、病が始まっていなくて、

本人も症状を何も感じていなくても、

顔を見て、赤色が現れていれば、医者は鍼を刺します。

 

顔のどこが赤いかによって、起こる病が分かっていますが

鍼を刺してしばらくして、顔の赤いのが無くなれば、

病は治り、後には何も症状は出ません。

 

これが、病になる前に、病を治す、ということです。

名づけて『未病を治す』と言います。」

 

王様は、感心して言いました。

 

「なるほど、顔であったか!

たしか、顔は脈と同じように体の様子が現れると言っていたな。」(王様と東西南北23

 

みなさんは、おぼえているでしょうか?

顔色と脈は、天地の道理が体に現れる所です。(昔の治療法8

 

岐伯はうなずいて言いました。

 

「はい、王様。

人の顔は、頬から見ていきます。

 

頬より上は横隔膜より上なので、心と肺です。

頬下から頬骨に赤みが上がるのは、お腹の中に大きなしこりができています。

頬下から下顎骨に赤みが下がるのは、お腹がパンパンになります。

頬骨から後ろに赤みが行くのは、脇が痛くなります。」

 

顔を見ることは、鏡があれば、だれでもすぐに出来ます。

病が未病のうちに気がつけるように、

鏡を見る時には、顔に赤いところが無いか、

いつも気にかけて見てみるようにしてください。