王様と色 2

岐伯は王様に言いました。

 

「衛気が欠けている所は、歪み(ひずみ)です。

 

歪みがあれば、

そこから体の中に邪気が入ってしまいます。」

 

王様は、全身を余すとこなく流れる

十二の経と、三百六十五の絡の、

網目のように正しいのが

歪んでしまい、

衛気に守られていない隙間ができるのを想像しました。

 

簡単に邪気が入ってしまいそうです。

 

 

岐伯は続けて言いました。

 

「体の中に入った邪気は、

血の通る道に居座ります。

 

邪気がいると、血は通れなくなるので、

体には病が生じます。」

 

王様は、岐伯に聞きました。

 

「岐伯よ、教えてくれ。

どうして、血が通れないだけで、病になるのだ?

血とは、どういうものなのだ?」

 

みなさんは、血を、どのぐらい知っていますか?

「赤い」 「体じゅうを流れている」

他には、分かりますか?

 

岐伯は答えて言いました。

 

「王様に、お答えします。

 

血は、脈の中を通っています。

全ての血は、心に流れ込んでいます。

 

夜に人が寝ると、血は定位置の肝に戻り、落ち着きます。

朝には、両手両足に、満ちていき、

夕には、両手両足から、引いていきます。

その盛と衰は、まるで、海の潮の満ち引きのようです。」

 

王様は、体の中の海を思い出しました。(三陰三陽の川2

そして、海の満ち引きも、自然の力であり、

陰陽の力なのでは、思いました。

 

岐伯は続けて言いました。

 

「血は、脈の中を通って、体じゅうに行き渡ります。

 

血を受けることで、

目は、見る働きができ、

足は、歩く働きができ、

掌は、握る働きができ、

指は、持つ働きができます。

 

ですから、

邪気が皮膚に居座って血が通らなければ、しびれが起こり、

邪気が足に居座って血が通らなければ、足が冷たくなり、

邪気が脈に居座って血が通らなければ、とぎれとぎれの脈になります。」