今日は、辰砂(しんしゃ)で焼き上げた有田焼のチェス駒をご紹介いたします。深みのある赤と青の色合いが印象的なこの作品は、嬉野にある「四郎窯」で丁寧に焼かれたものです。赤は辰砂釉特有の気品ある発色で、光の角度によって微妙に変化し、まるで宝石のような輝きを放ちます。一方の青は、柔らかな瑠璃色に近く、穏やかで落ち着いた雰囲気を醸し出しています。どちらの駒も艶やかで、手に取ると磁器ならではのしっとりとした感触が伝わります。
このチェスセットは、見た目の美しさだけでなく、陶磁器としての完成度も高く、飾っても対局しても楽しめる逸品です。職人の技と焼きの妙が生み出す色の深みが、盤上に独特の気品と静けさをもたらします。有田焼の伝統技術を現代的な形に生かした、まさに「使う芸術品」と言えるでしょう。ぜひ一度、実際に駒を手にして、その美しさと重みを感じていただきたいと思います。


