資料館の2階には壁面一杯、たくさんの絵馬が掛けられています。

袋井市久能にある、可睡斎(かすいさい)です。
応永8年(1401年)に創建された曹洞宗の寺院で、今も多くの修行者が訪れる東海地方随一の禅修行の道場です。
元は東陽軒という名でしたが、徳川家康とのゆかりから名を可睡斎と改められたといいます。
11代目住職の等膳和尚は、幼い家康を戦乱の中から救い出しかくまいました。
時は流れ、浜松城主となった家康はかつての恩に報いるために、等膳和尚を招き宴席を設けましたが、その席で等膳和尚はコクリコクリと居眠りを始めました。
それに気づいた家康は「和尚我を見ること愛児の如し。故に安心して睡(ねむ)る。われその親密の情を喜ぶ、和尚、睡る可(べ)し」(和尚は私のことを我が子のように親しみを感じてくれているからこそ、安心して眠っている。その気持ちを嬉しく思うので、どうぞ眠っていてください。)と言いました。
そのことから、等膳和尚は可睡和尚と呼ばれ、寺号も「可睡斎」に改めることになりました。
絵馬は、秋葉山本宮秋葉神社の三尺坊大権現(さんしゃくぼうだいごんげん)が描かれた火防用心絵馬です。
可睡斎は、明治6年(1873年)秋葉山(あきはさん)の神仏分離に伴い三尺坊大権現(さんしゃくぼうだいごんげん)が遷座され火防災除の寺となりました。