大夕立と稲妻の提灯持ち | todou455のブログ 火縄銃ときどき山登り

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 一昨日,金山城伊達・相馬鉄砲館のある宮城県丸森町は,強烈な夕立に襲われた。この夕立は落雷を伴ない午後6時前から1時間半以上に渡り降り続いた。

7月23日の丸森町での夕立と落雷

 

 

 

 昔から「雷の多い年は,豊作になる」と言われている。雷と稲妻が稲に子種を与えると昔の人は信じていたらしい。実際,雷と稲妻には、稲を育てる力がある。雷が発生するのは暑い夏の日だ。そして雷は大量の雨を降らせる。それだけではない。空気中の80パーセントを占める窒素は,リン酸やカリとともに植物の三大栄養素である。大空に雷の電気が流れると空気中にある大量の窒素が,酸素と結合し窒素肥料になるのだ。そして,これが雷雨に溶けて大地に降り注ぎ稲を成長させるのである。稲作の盛んな地域では「稲妻ひと光で稲が一寸伸びる」と云い伝えられている。昔の日本人は,科学的な知識が無くても自然をよく観察し,経験的に様々なことを知っていた。

 宮城県丸森町には「稲妻の提灯持ち」という里言葉がある。「稲妻の提灯持ち」とは,稲妻よりも素早く動き,常に稲妻の光る先を提灯で照らす物の怪のことで,転じて電光石火の早業で仕事をする人のことを言う。

 

 

  一昨日は,この「稲妻の提灯持ち」が大活躍して丸森町にたくさんの雷を落として回った。この夕立が降る中の午後6時50分頃,丸森町を中心に停電になった。この日の最低気温はおよそ27度もあったから,エアコンなしの熱帯夜は相当にきつかった。これだけ人間を困らせれば,物の怪の「稲妻の提灯持ち」としては,いつもより良い仕事をしたといっていいのだろう。