高1・高2・高3の現代文の学習計画 | 東大国語で高得点を目指すブログ

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東大現代文の過去問20年分の私の解答をこのブログに保存していく予定。
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私が高1・高2・高3(及び浪人生)に現代文の学習アドバイスをするならば、
どのようなアドバイスをするのだろうか、ということをふと考えてみた。


学年によって自ずとアドバイスの内容は変化してくると思うが、
ちょっと、以下に書いてみたいと思う。






《高1》
まず、相談相手が高1の生徒だった場合、
逆説的だが、私なら「あまり現代文の勉強に時間を割かないように」とアドバイスすると思う。

というのも、高1は英語と数学の先行学習(最低でも英検2級やMARCHや地方旧帝大ぐらいの入試に対応できるレベルまで)をどんどん進めていかなければならない時期だし、
国語に関しては古典(古文・漢文)の文法をしっかり固める時期になる。

高1の間に、古文ならば用言と助動詞(と余力があれば敬語と助詞も。)、
漢文ならば再読文字や使役や受身などの初歩的な句法、
これらをしっかり身につけておかないと、後々苦労するケースが多いと思う。


ということで、高1においては、英語と数学と古典にかなりの時間を割かなければいけない時期なので、
自ずと現代文の勉強に大量の時間を費やすヒマは無くなるんじゃないか、と思う。


それに加えて、高1の時期の模試って、現代文に関しては公立高校入試の延長線上のような難易度の文章しか出ないし、
高1が使う国語総合の教科書に掲載されている論説文も、まだまだ抽象度は低めに抑えられてるから、
そもそも現代文という教科に対して問題意識や危機感を覚えにくい時期じゃないかということも影響してくる。


なので、高1に関しては、

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①現代文の教科書を何度かしっかり読むこと
②余力があれば『現代文キーワード読解』(Z会出版)などの用語集&背景テーマ集を買って、現代文の知識面を強化しておくこと
③余力があれば、本をたくさん読むこと
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この3点さえできてれば問題ないと思う。


①に関しては、先生の板書を写すように言われるケースもあると思うけど、
あくまでも主従関係は、教科書の本文が「主」で、板書ノート(もしくは教科書ガイド)が「従」であることを間違えないようにする。

教科書でわからない用語があればすぐ辞書かネットで調べ、
やや意味がわかりにくいような漠然とした一文を見つけたら、すかさずその箇所に傍線を引いて、「どういうことか」を別の表現を使って書いてみる練習も有効かもしれない。

③については、別に読書によって大幅に現代文の成績が伸びるわけではないけど、
この時期に活字慣れをしておくと後々の現代文の学習に抵抗感が無くなってくるし、読書自体が脳みその働きを活性化させるきっかけにもなりうるので、その意味では重要かもしれない。
なお、読む本の分野によっては、むしろ他の社会や理科などの科目の実力の方が上がる可能性もある。





《高2》
本格的に現代文の学習を始めるとすれば、高校2年からが最適だと思う。

高1からの英語数学古典の学習が軌道に乗ってくれば、
高2ぐらいになると比較的時間の余裕が生まれてくるからだ。


加えて、高2になれば教科書や模試の本文の抽象度もグンと上がってくるので、
「そろそろ現代文が難しくなってきたし、現代文の勉強もやらなきゃなあ」
という気分にもなってくると思う。

高2ぐらいから、頭の中でうまく抽象的思考ができるようになってくるし、
そういえば私が現代文の評論が高得点で安定しだしたのも、ちょうどこの時期だ。
(ただし、現代文の評論で高得点が取れたからといって、いわゆる世間的な意味での「国語力」があると必ずしも言えるとは限らないが・・・)


具体的に用意したい学習教材は、

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①東大現代文の過去問
②用語集(『現代文キーワード読解』など)
③漢字問題集(1000個以上の漢字が載ってれば何でもいい。)
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最低でもこの3点セットだ。

ちなみに、東大現代文は、全大学の中でも最もシンプルで基本に忠実な問題を出題してくるので、
①の東大現代文の過去問集は、東大以外の大学を受ける人でも必ず有効となるだろう。

高2から始めるとすると、高2の間に5〜10年分、高3の間に5〜10年分、
これぐらいは解けると思う。


ただ、これは東大に限った話ではないけど、
過去問集に載ってる「模範解答例」が、そのまま本番でも満点が取れる解答であることは、むしろかなり稀なはずだ。

模範解答例を絶対視することなく、
自分の書いた答案と模範解答例とを見比べつつ、自分の答案を更に推敲するための「手段」として模範解答例を利用するのが正しいあり方ではないかと思う。


②の用語集については、
評論で頻出する抽象的な用語だったり話題(テーマ)を押さえることを目的として使う。
基本的には通読しながら使っていく。
私は『現代文キーワード読解』を愛用してる。この教材は多読教材としても使える良書だと思う。


③の漢字問題集については、
東大を受験するレベルの人なら、ほとんどの漢字問題は瞬時に解けると思うので、
むしろ「答案で本文の語句が使えず、自分なりの表現で書かなければいけない記述問題」で素早く妥当な漢字表現(一般的表現)が思いつけるようにする目的で使うことを私ならおすすめしたい。
先日の東大オープンで言えば、文系第4問(1)の「連鎖的」などがそれにあたる。
年に何回かでいいから、漢字問題集に書かれてる答えの部分の漢字を片っ端から写経して、脳内に潜在的に染み込ませるような感じで利用するのがいいかもしれない。


また、過去問集以外に、市販の記述用問題集を買う人もいると思うけど、
使う問題集の数は、できるだけ少なめに厳選することを強くお勧めしたい。
目安としては、1〜2冊ぐらい。もし必要性を感じなければ0冊でも問題ない。

これは私の主観も混じってしまう話だが、
市販の問題集を色々と立ち読みした結果、
東大の過去問以上に良問がぎっしり詰まった問題集はほぼ皆無と言っていいほどだったからだ。


だから、あくまでも主従関係は
過去問集が「主」で、市販の問題集が「従」だと考えている。





《高3・浪人生》
基本的には高2で書いてきた事項とほぼ同じだが、
高3は地歴や理科(と古典)の学習でかなり忙しいので、現代文のためにまとまった時間は取りにくいのが実情だと思う。

だから過去問はせいぜい5〜10年ぐらいが精一杯なのではないか。

しかし、東大現代文の問題は、本当に質が高く、問の立てられ方も適切で、試される能力も他大学よりはかなり明確な方なので、
過去問を1年分やるだけでも、かなり多くのことが学べるのではないかと思う。
「一を聞いて十を知る」、いや「一を聞いてnを知る」姿勢で多くのことを学びとるべし。

ましてや5〜10年分も深くやりこめば、かなりの経験が積めるはず。
「類題(つまり同じような能力を試してくる問題)」が非常に高い頻度で出題されてることにも気づいてくるのではないか。
だから高3から開始して過去問をやった年数が他人よりも少ない人でも全く悲観するには及ばないと思う。





今日は以上!!
なかなか多くのことを語ってしまったが、気のせいか、だんだん以前にも書いてきたことと重複することが多くなってきた気がする笑