Fun! | フィギュアスケート妄想・疾走者

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どこかの民族では、数の概念は「1、2、たくさん」しかなかったとかいう話を聞いたことがある。

一人でも、二人でも、大勢と組んでも、高橋大輔はかっこいい。

フレンズオンアイス8月27日夜公演「ポエタ」。


クライマックス。

ステファン・ランビエールと高橋大輔が、リンクの長い対角線の端と端からステップで真ん中へと近づいてくる。どちらか一人しか見られないという話は聞いていたが、確かに両者を一つの視界に入れるのは無理だ。

東の端で、正面は北アリーナ席という私の席の近くにいるのはランビエール。しかし私の目は当然のように遠くにいる高橋大輔を追う。

熱い、エネルギーが迸るような動きでこちらに近づいてくる。このパッションは当然、氷の上のもう一人がそれに匹敵するだけの演技であるからこそ、これだけの強さになっているのだろうとちらっと思う。が、大輔さんから目を離してランビエールを観るなんてことは出来ない。

やっぱり私は高橋大輔のファン以外の何者でもない。両方観て、全体像も捉えたいという気持ちはあるんだけど、できないのだ。


ショーが終わった後、公演を複数回観た輔オタの友人とお茶する。

「いやー、公演に何回も行ってたら、ランビエールの動きも観ることが出来るのにと思ったわ。」

と私が言ったら、

「いや、無理だよ。何回行っても大輔さん観てるから。」

と返されてしまった。

「そっか。ファンってそういうものか。」

「そうだよ〜。」




まあそうなんだろうなあ。

フレンズオンアイスには今回、私のニ推しの三宅星南選手もいた。でも私、二人共いる場所で、やっぱりずっと大輔さんの方を観てたもんなあ。

星南くんも観たいと思いつつ、大輔さんから目が離せないのだ。音楽と重なる波のような、あの独特のムーブメント。映像ではない、直接立体で観るからこそ余計に伝わってくるものを、少しでも逃したくなかったのだ。




今回のフレンズオンアイス、星南くんとか島田高志郎選手とか、背が高くてすらっとした男子スケーターが増えた。

で、大輔さんを観ると、体全体に筋肉がついたゆえに小作りで重たい印象が強くなっている。正直に言うと、私の好みから少しズレた。うん、フロリダ配信とかで大輔さんが男性一人の映像のときは「腕が逞しくなって男性的でいいねえ」とか思ってたんだけど。

しかし公演には比較対象が何人もいるから、私はもう少し細見の男子の方が好みだというのを思い出したという。(ルックスだけなら断然星南くんである。)


なので大輔さんを観た最初の一瞬、え、と思うのだ。多分過去の細いイメージが頭に残ってて、微妙に違和感があるのだと思う。それでも、彼の動き、あのなんとも言えない音楽との反応を観るのが心地よくて目が離せないのである。

ファンって言葉はfanatic、つまり熱狂的という言葉から来ているそうだけど。熱狂的になる理由は、ファン対象が自分にとっての「fun」を絶え間なく与えるからだよなあ、なんて思ってしまった。

いや、英語ではfanとfunは違う発音だろうけど。でも「Radio Ga Ga」をもじって「Lady Gaga」と付けるくらいの類似ではあるよね、多分。




無条件の、絶対的な、絶え間なく与えられる楽しみ。


そういうものを与えてくれる人間に対し、人はfan(熱狂的)になるのだろう。




いつか、ランビエールの側も観たい。元々「ポエタ」はランビエールの名プログラムだし、このコラボレーションの振り付けも彼だし。でもそれはおそらく映像をゲットして、何度も大輔さんの演技をリピして、頭の中に定着してから初めて出来ることのような。あ、でも映像だとランビしか映らないシーンも多いだろうから、もう少しランビの動きも掴みやすいかな。

でも地上波は10月だっけ?待つの長いなあ。


とはいえ、今年度はアイスショーはフレンズオンアイスで終わり、たとえアイスエクスプロージョンがあっても行かないと決めている。下の子が受験なので病気を貰う機会は減らしたいのだ。

なので、秋から冬にリピートする時間は多分あるだろう。

いや、できればかなだいにはカーニバルオンアイスにでも出てもらって、そっちの映像をリピしたい気持ちもあるんだけどね。「Birds,Makeba」も良かったから、より多くの人に観てもらいたいのである。









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