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2009年03月25日(水) 16時04分44秒

・サラリーマンの年金額はこう決まる

テーマ:ネンキン

難解ですが、参考までに。

サラリーマンの年金額はこう決まる

2009年03月24日

 サラリーマン生活を終えた方にとり、老後の生活の拠り所になるのは国から支給される年金です。ところで、皆さんは将来の年金額がどのように算出されるのかをご存知ですか。今回は、会社勤めをしていた方の年金額がどのように決まるのか、「基本的な考え方」をご案内します。

年金は「2つの部分」の組み合わせ
 日本の年金は、現在、もらい始める年齢が段階的に65才へ引き上げられている最中であり、64才までと65才以降では受け取る年金の種類が異なります。しかしながら、支払われる年金はどちらも次のように「2つの部分」で構成され、2つの部分を別々に計算したうえで合算して支払われることになります。



60~64才でもらう年金
65才からもらう年金
現役時代の給料額が年金額に“反映しない”部分
特別支給の老齢厚生年金の「定額部分」
国民年金の「老齢基礎年金」
現役時代の給料額が年金額に“反映する”部分
特別支給の老齢厚生年金の「報酬比例部分」
厚生年金の「老齢厚生年金」
(注)特別支給の老齢厚生年金は、生年月日により支給の有無、支給年齢が異なります。

給料額が“反映しない”部分は「加入期間」で金額が決まる
 表中の「①現役時代の給料額が年金額に“反映しない”部分」は、厚生年金に加入した(保険料を払った)期間の長さに比例して年金額が決まります。現役時代の給料額は考慮されないため、給料が高かった人も低かった人も、加入期間が同じならば原則として同程度の年金額になります。

 60~64才でもらう「特別支給の老齢厚生年金の“定額部分”」は、
 「1,676円」×「生年月日に応じた率」×「被保険者期間の月数」×「0.985」
という計算式で算出されます。このうち「被保険者期間の月数」が加入期間にあたり、この計算式は「1ヶ月の加入につき、1,676円を基準とした年金を払う」ことを示しているともいえます。

 また、65才からの「国民年金の老齢基礎年金」は、
 792,100円×保険料納付済月数÷480月
という計算式で算出されます(保険料の免除を受けた月がない場合)。480月(40年)加入すると満額の792,100円がもらえる仕組みで、加入期間にあたる「保険料納付済月数」が480月より少なければ、その分年金額も少なくなります。そのため、この計算式は「1ヶ月の加入につき、1,650円(792,100円÷480月)の年金を払う」ことを示しているともいえます。

給料額を“反映する”部分は「給料額」「加入期間」の両方に比例
 表中の「②現役時代の給料額が年金額に“反映する”部分」は、「現役時代の給料額」と「厚生年金への加入期間(保険料を払った期間)」の両方に比例して年金額が決定されます。現役時代の給料額が多いほど、また、制度への加入期間が長いほど年金が多くなる仕組みです。給料額が多いほど負担する保険料も多くなるため、現役時代に払った保険料が多い人ほど年金が多くなり、負担に応じた年金が受けられることになります。

 60~64才でもらう「特別支給の老齢厚生年金の“報酬比例部分”」は、
 「平均標準報酬月額」×「生年月日に応じた乗率」×「被保険者期間の月数」×「1.031」×「0.985」
という計算式で算出され(被保険者期間が平成15年3月までの場合)、「平均標準報酬月額」が現役時代の給料額にあたり、「被保険者期間の月数」が加入期間にあたります。この計算式は「現役時代にもらった給料の一定割合の年金を払う」ことを示しているともいえ、65才から支払われる老齢厚生年金についても、同様の計算で算出される部分が主になります。

「お金の価値」を維持するための2つの仕組み
 年金は40年近くの長きに渡り保険料を払い続ける制度です。そのため、加入した当初と現在では給料額に大きな格差があり、以前の給料額をそのまま計算に使用すると年金額が少なくなるという不合理が生じます。そこで、年金額を計算する際に「現役時代の給料額を今の給料水準に直す」という作業が行われます。たとえば、「昭和36年4月の給料は10.3倍して計算する」などの調整が行われることになり、このような仕組みを「再評価」といいます。

 現役時代に受けた給料をすべて現在の水準に換算する「再評価」を行い、再評価後の給料額を使用して“現役時代にもらった給料の平均額(これを平均標準報酬月額といいます)”を算出します。換算し直した給料の平均額で年金額を計算することにより、“現在の給料水準”を基準とした年金額が算出されることになります。

 また、年金額には物価の変動も考慮されます。たとえば、物価が高くなると今まで1万円で買えたものが1万円では買えなくなることがありますが、この時、年金額が今までと同じであれば、年金が実質的には目減りをしたことになります。そこで、物価の変動に応じて年金額を調整し、年金額の実質的な目減りや支払い過ぎを抑制する仕組みが計算式の中に組み込まれています。計算式にある「0.985」「1.031」という数値が物価変動による調整部分にあたり、また、「1,676円」「792,100円」という値も物価変動を加味した金額になっています。

給料額が“反映しない”部分は低所得者への配慮
 「給料額を反映せず、加入期間だけに応じて支払う部分」があるのは、不公平に感じる方が多いかもしれません。「民間企業の保険商品ではありえない!」という声も聞こえてきそうです。では、なぜこのような仕組みが設けられているのでしょうか。

 国が行う制度には「所得再配分」という機能が織り込まれることがあります。「所得再配分」とは、高所得者から低所得者へ富を移転しそれまでの所得格差を縮小させるための経済政策で、税制や社会保障制度の機能のひとつといわれます。年金制度でも「加入期間だけに応じて一定額を支払う部分」を設けることにより、所得の高い人から低い人への「所得再配分」が行われ、現役時代の給料の差ほど年金額に格差ができない仕組みになっています。国の社会保障制度は民間企業の商品にはない“特殊な役目”を担う場合があり、低所得者に配慮した所得再配分の機能があるのも公的年金制度の特徴です。

 以上のとおり、年金額は「給料額」と「加入期間」をもとに様々な調整を行って計算されますが、実際にはさらに「その他の細かなルール」「例外」「経過措置」などが考慮されて算出されることになります。そのため、年金額を正確に算出・検証することはとても難しい作業になります。しかし、基本的な「仕組み」や「考え方」を知っておくと、難しい年金も少しだけ身近なものになるかもしれません。

株式会社 住まいと保険と資産管理
CFP・中小企業診断士・社会保険労務士 大須賀 信敬
提供:有限会社イマジネーション
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