こども食堂の

1番端の席に1人の女子高生が座った。





ちょっとした挨拶をしたときに教えてくれた「宇都宮東高を中退した」というそのセーラー服を着たその女子高生が

俺には気になって仕方が無かった。









彼女がご飯を食べ終わる頃、俺は彼女の向かいに座り

「ちょっと話を聞かせてもらっていいかな?」

と一言断ってから話しかけた。




彼女は俺のその誘いを

快く受け入れてくれた。






なかなか目を合わせてくれないのは

彼女が緊張してるからなのはわかった。


人と話すのになれてなさそうな彼女だが

俺の質問には目一杯答えてくれた。


 

それが俺にはすごく嬉しかった。





なぜ高校を中退したのか。

高校を中退して今何をしてるのか。

フリースクールに通った経験則。

親への思い。

将来の夢。




話が進むにつれ、彼女が活き活きしてきたのはわかった。


特に親の話をしていたときに

今まで目を逸らしながら話していた彼女が

俺の目をしばらく見つめた。





まるで、逆に問い詰められたかような

そんな強い眼差し。






会話の内容についてはこれ以上詳しくは書かないが




「また話そう」と帰る際に声をかけると

「是非お願いします」と笑顔で答えてくれた。



 


最近、教育について考えることが多くなったが


子供の目線で考える事はしなかった。いや、出来なかった。



多少強引だったが、俺はどうしても彼女と話しがしたかった。


それは親と子供という立場、関係ではなく




人と人として

彼女と会話がしたかったから。






彼女の本音は素敵な話だった。

輝いていた。

知識や理想を掲げる大人の机上の教育論より何百倍も聞いていて

腑に落ちた。

 





俺は将来

子供たちの話を受け止める役目を担いたい。

そう思った。




はじめましての俺に

何でも話してくれた彼女に

最大限の敬意をこめて。