今日のブログは、外国人観光客による地元の商品の購入を増やすための方策についてです。

 

5月1日に、福岡市内の富裕層が良く泊まるホテルの幹部であるAさんと、日本に長く滞在する欧米人の方であるBさんのお二人と、「どうやったら福岡市に来る外国人観光客の消費、特に地元の製品や地元資本の飲食店の利用を増やすことができるか」について、意見交換しました。今日は、地元産のお土産の購入を増やす方策についてです。

 

Bさんが帰国する際に購入するお土産は、福砂屋のキューブという四角いカステラ。不思議ですね。カステラは長崎に伝わったヨーロッパのお菓子が日本で独自の進化をしたものなんですが、これが、評判がとても良いとのこと。

https://www.fukusaya.co.jp/item_price/cube.html

 

Bさんからは、「木下さんは、福岡・九州産の商品で新たに買ってもらえるものは何だと思ってますか?」と聞かれました。

 

これまでインバウンドの方が買って帰られるものに九州産はほとんどありません。サロンパスくらいです。出国手続きを終えた後に福岡空港で売れるお土産の中には、とおりもんなどがありますが、白い恋人などもよく売れているらしいです。ビッグカメラに行っても外国人の方が買う商品には、福岡の会社のものも福岡に工場がある製品もほぼありません。

 

先日は、いつも行く中洲川端のドン・キホーテではなく、天神南のドン・キホーテに行ってみましたが、こちらのお店も福岡産はほぼ何も置いてありません。薬ではサロンパスがものすごく広い売り場をとって売ってありました。お酒売り場も広かったのですが、ここに置いてあるお酒は日本酒が多く、残念ながら獺祭など県外・九州外の日本酒ばかりでした。

 

お酒は、韓国人のインフルエンサーを利用して、九州産の日本酒を売り込まねばなりませんが、インフルエンサーを使わずとも可能性のあるのがジャパニーズウイスキーです。なんと、福岡県の大刀洗町で製造した菅原という素敵な麹ウイスキーが売り出されているのです。これはとても美味しいので、これをおススメしました。韓国人というより欧米の富裕層に向けて輸出も可能な商品です。私は、山崎のようなウイスキーになるのではないかと期待しています。天神南のビルの一階に試飲できるお店がありますので、ウイスキー好きの方は是非どうぞ!

https://kojispirits.jp/

 

私がもう一つ可能性があるものとしてBさんに伝えたのは、八女のお茶です。すでにフランスには輸出されていますが、私が期待しているのは奥八女緑茶抹という緑茶の粉末のスティック状の商品です。角田製茶が販売しているものですが、軽いし、とても美味しいのです。また、急須でお茶をたてる必要もなく、お湯や水に溶けるのでとても簡単です。

 

AさんとBさんには、その場で水に溶かして飲んでもらったのですが、これはいける!との評価をいただきました。ただ、パッケージを変えないといけません。注意点もあります。それはヨーロッパと日本の水の違いです。これまでヨーロッパで日本のお茶が広まらなかった理由でもあるんですが、ヨーロッパの水は硬水といってミネラル分が日本の水よりもはるかに含有量が多いので、お茶の味が変わるのです。

 

私はこのお茶を本格的にヨーロッパに輸出できないものかと考えています。ヨーロッパでは日本食が定着していて、私はヨーロッパのある国で日本食の食材を現地生産する工場団地の建設に関わっていて、日本食の食材を現地で製造する企業を探しています。すでに冷凍餃子は販売を開始しており、ラーメン用の生麺はまもなく製造開始です。このようなものの流通ルートに緑茶の粉末を提供できないかなと考えています。

 

ヨーロッパに輸出する場合にはISO22000かGAP という生産工程が一定の基準にのっとっているという国際的な認証を受けていないとヨーロッパで売ることはできません。

かさばるものは輸出が大変になります。ところ緑茶抹のように軽くて値段の高いものは、もしかしたら飛行機で輸送することが可能なのかもしれません。

 

結論ですが、すぐには外国人の方に買ってもらえそうな地元産品はないのですが、「なければ探す。なければ作る。」ことが重要だということで一致しましたので、上記の二つの商品だけでなく、色々と発掘や開発をしていきたいと思います。

 

それから欧米人のBさんから、福岡のインバウンドの課題として「良い通訳が少ない」ということを言われました。良い通訳さんだと1日5万円ぐらいの料金でしょうか。年齢の上の通訳の方は、新しい情報は知らないことが多いので、あまりお客さんが満足しないということをBさんは言われていました。私は通訳の方を使ったことがないのでこれは本当かどうか分かりませんが、富裕層の方をお相手するのでしたら、やはり優秀な通訳がいる必要があると思います。

 

これ以降は雑談の話になりますが、ホテルマンの A さんが言われたのは「外国人のメジャーなアーティストがなかなか九州に来たがらない」とのこと。広島までは来るそうなんですが、九州は島だと思っていて、本州から遠いんではないかと思っていて、なかなか九州まで足を運ばないんだそうです。これも面白いですね。

 

それから懇親会をしたお店の料理人さんは大変腕が立つ料理人なので、福岡の調理師学校で講師をしているそうです。彼の話によると、その学校の学生さんの5人に1人が外国人なのだそうでして、今はベトナムの方が結構多いですとおっしゃっておられました。

授業料は高いのですが、しっかり日本で学んで、できれば日本で少し修行をした後にベトナムに帰ってお店を開きたいという希望も持っているそうです。出汁も輸出したいそうですが、果たしてヨーロッパの水に合うかな~