今日のブログは「中村天風哲学を地域振興に応用するとどうなるか」についてです。「その自治体の発展のためには、住民がその町を卑下する発言を決してしないことがとても重要である」というお話です。

 

私のゼミでは3つのルールがあります。

1.挨拶をきちんとすること 

2.笑顔でいること 

3.消極的なことを言わないこと  

 

この「消極的なことを言わない」ということについては、もし消極的なことを言ってしまったら、さっと気づいて、取り消すことを推奨しています。ゼミの最中に学生が消極的な発言、例えば、「大したことない質問ですが」とか「つまらない意見ですが」とか、友人同士の会話であっても「馬鹿野郎」というような汚い言葉を使ったら、1回ごとに100円をどこかで寄付をすることにしています。

コンビニではまだ能登半島地震の募金をしているところがありますからそこに100円を入れるなど、自分で決めて寄付をしてもらいます。

 

福岡大学の学生の相当数は、偏差値を基にして大学を選ぶので、自分の能力はこの程度だと自分で壁を作っている学生がとても多いです。だから、「多分無理だと思いますが」なん言うことも多いんです。

 

私は、大谷翔平選手のおかげで改めて脚光があたった中村天風先生の本を読んでいましたので、常に積極的な言葉を用いるということの重要性を学んでいるのですが、いきなり積極的な発言をすることは難しい人が多いので、まずは、消極的な発言をしないことから訓練しています。

 

さて、先日のゼミのことです。最初の最初の講義で学生がお互いを知るために自己紹介をしてもらいました。その中である学生が「私は〇〇町の出身なんですが、多分皆さんは聞いたこともないと思います。」と言って、自分の故郷を卑下する発言をしたのです。

 

私は即座に「100円だよ~。言い換えてね。」と指摘したところ、「〇〇で有名な街です」と積極的な発言で上書きしてくれましたが、この時、私の頭の中に閃きが走りました。

 

「これが多くの地方が衰退していく大きな理由なんだ」と。

 

最初から自分たちの町は、田舎だ、人口が少ない地方だ、と自分たちをマイナスイメージで捉えている発言をする人がものすごく多いんですね。私の生まれた佐賀市で、私は、大人から「佐賀はなんもなか」と言われて育ちました。こういわれながら成長した若者が、その町に居続けたいと思うでしょうか。この意識を変えない限り地方が成長していくということはないなと改めて気づいたところです。

 

先日、大川市で講演をしました。その中で、「これからのインターネットの時代には、北九州市の製造業に非常に大きな可能性がありますよ。インターネットは中抜きをするので、卸売業や小売業の町である福岡市は、皆さんが思うほどに将来は楽ではないんですよ。」という話をしたところ、講演の後で北九州市在住の方が寄ってこられて、「北九州市は可能性があるんですね。元気が出ました。同じ話を北九州市でもしてもらえませんか」とお願いに来られたのです。

 

 グローバルな時代とかなんとか言われますが、この福岡市には世界的に通用する企業はほとんどありません。世界的に通用する企業があるのは、北九州市です。TOTO さんや 安川電機さん。福岡市で世界的に通用する企業はラーメンの一風堂さんなど外食産業だけです。

 

 お世辞でなく、北九州市の企業はさらに大きな可能性があります。北九州市民はもっと元気を出して良いと思いますよ。成人式の時のヤンキーの格好を全面に出すのは、私にはどうかなと思うんですけども、ものづくりの町としてこれから自分たちの地域の会社がどんどん伸びるんだと皆が思えば、北九州市はまた盛り返せると思います。本当は経済産業省出身の方が市長になったらいいと思うんですけどね。

 

 一方、福岡市は、経済の実態以上に福岡市はスゴイと市民が思い込んでいます。これって、天風哲学からすると良いことなのか、悪いことなのか。まず思うことが大事だから良いことなんでしょうかね。

 でも、海外進出案件となると、腰が引ける人が多いのはどうしてか。行動につながらないということは、本当にすごいと思い込んでないのか。天風哲学を地域振興に応用するためには、もっと深く勉強します。